macroscope

( はてなダイアリーから移動しました)

学史

「気候システム研究の誕生 -- 真鍋淑郎の業績をふりかえる」

『科学』 (岩波書店) 2022年5月号の特集に、依頼を受けて執筆しました。 増田 耕一, 2022: 気候システム研究の誕生 -- 真鍋淑郎の業績をふりかえる。『科学』, 92: 428-431. この特集は「気候シミュレーションの展開」と題されていますが、内容は真鍋 淑郎 …

気象学史研究会「古典籍・古文書の自然現象記録を用いた気候復元と気候変動」 (2022-05-19、オンライン)

2022年5月19日 (木) の晩に、日本気象学会 気象学史研究連絡会の主催する 気象学史研究会がオンライン開催されます。今回は、「古典籍・古文書の自然現象記録を用いた気候復元と気候変動」を主題として、青野 靖之 さんによる「古典籍の植物季節記録による京…

「科学革命」、近代科学のはじまり、パラダイムの交代、事典

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - Twitter で、2022年4月2日に、ある人が、Wikipedia 日本語版の [ [ 科学革命] ] という項目の記述について不満をのべていた。それをきっかけに、いろいろなことを考えた。つぎ…

真鍋淑郎さん (ほか) のノーベル物理学賞受賞をめぐって

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - 2021年のノーベル物理学賞受賞者 3人のうちに、真鍋 淑郎 さんがふくまれていた。【真鍋さんはアメリカ国籍になってからも日本語で書いた文章が出版されることがあり、そのとき…

気候変動 (地球温暖化) の科学の学説の構造 -- 「すでにおきた温暖化は人為起源」はわきすじ

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1. きっかけ - 松王 政浩 (2020) 『科学哲学からのメッセージ』 [読書メモ] の合評会がオンライン開催されたので参加した。わたしはこの本が出版されてすぐ、気候変動 (地球温暖化)…

ワート『温暖化の〈発見〉とは何か』 重版

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】スペンサー R. ワート (Spencer R. Weart) 著, 増田 耕一、熊井 ひろ美 訳 (2005) 『温暖化の〈発見〉とは何か』 (みずす書房) の本が、しばらく版元品切れになっていました。出…

気象・気候の問題に使われるスペクトル解析についての序説 (2) クロススペクトル

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】[2011-10-22 気象・気候の問題に使われるスペクトル解析についての序説] の記事が読まれているようなので、自分でも読みかえしたら、その記事に書いたつもりで書いていなかったことに…

人名のローマ字表記のむずかしさ -- 『科学史事典』の索引をきっかけに

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】 - 1 - 2021年5月19日、新刊の『科学史事典』がとどいたので、別のブログに [読書メモ]を書いた。それに対して、その本の編集委員長の 斎藤 憲 さんが、その日のうちにコメントを…

『科学史事典』「地球温暖化 -- 国際政治にかかわる科学」

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - 2021年5月、『科学史事典』が出ました。 日本科学史学会 編, 2021: 科学史事典。丸善出版, 726 pp. ISBN 978-4-621-30606-2. [わたしの読書メモ] 出版社ウェブサイトのこの本の…

『科学史研究』に書いた「地球温暖化に関する認識は原因から結果に向かう思考によって発達した」がオープンアクセスになりました

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】日本科学史学会の学会誌『科学史研究』の J-Stage からの公開が段階的に進んでいます。 資料トップのページは (書誌情報を日本語で読みたいばあい) ここです。https://www.jstage…

寺田寅彦の晩年の科学者としての仕事についての覚え書き

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】【人名は原則として敬称略とします。】寺田 寅彦 (1878-1935) は、科学と文学にまたがる随筆を書いた人として知られる。(わたしも、少年のころ親からすすめられて、岩波文庫5冊本…

気象学史研究会「明治創設期の測候所と気象学」(2020-10-29、オンライン)

2020年10月29日(木)の晩に、日本気象学会 気象学史研究連絡会 の主催による気象学史研究会「明治創設期の測候所と気象学: 期待と役割 -- 旧測候所保存資料から探る」が、オンラインで開催されます。1879 (明治12) 年につくられた広島測候所 (現在は気象庁の…

気候システムの科学が発達した社会的要因についての覚え書き

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - 気候システムの科学は、第二次世界大戦後に発達した。そこには、冷戦にともなう、とくにアメリカ合衆国(USA)の、政策的な科学技術推進政策に乗ったおかげで発達した面が、たし…

気象学史研究会 「20世紀の気候変動と人為的エアロゾルの影響」(2019-05-17 東京・参宮橋)

2019年5月17日(金)、東京の国立オリンピック記念青少年総合センター (もより駅は小田急の参宮橋)で、日本気象学会 気象学史研究連絡会 主催の第5回 気象学史研究会があります。この会合は、日本気象学会の2019年春季大会(5月15日~19日)の会場で開かれるもの…

科学史に関する読書メモ

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】わたしが、読書ブログ[yuku kawa]に書いてきた読書メモのうちで、このブログで設定した「学史」のカテゴリーに関連するもののリストを、暫定的に[このリンク先ページ]につくりました。…

気象学の学術雑誌についての覚え書き

【まだ書きかえるかもしれません。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - 現代の学術研究の成果を記録する媒体として、査読ずみの学術論文をのせる学術雑誌がいちばん重要だ。ここでいう学術論文は、(原則として著者たち自身の)オリジナル…

気象学史研究会「日本での初期の数値天気予報」(2018-05-16 つくば)

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】2018年5月16日(水)の晩に、つくば国際会議場(もより駅はTXつくば) で、日本気象学会 気象学史研究連絡会の主催による 第3回の気象学史研究会を開きます。これは、日本気象学会2018年春…

気象学史研究会 (日本気象学会 気象学史研究連絡会 主催, 2017-11-01, 札幌)

日本気象学会 気象学史研究連絡会の主催で、第2回の気象学史研究会を、札幌で開きます。気象学会の大会にあわせてその会場で開くものですが、研究会の出席だけならば大会参加登録は必要ありません。(ここから、日本気象学会秋季大会プログラム中にも含まれて…

地球温暖化・気候変化・気候変動に関する認識の変遷をさぐるという課題

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - [2017-05-23の記事]で予告したように、2017年5月27日、日本気象学会の大会に付随する会合として、「気象学史研究会」を開きました。主催者からの報告は、ひとまず、研究会のウ…

気象学史研究会 (日本気象学会 気象学史研究連絡会 主催, 2017-05-27)

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】 - 1 - 日本気象学会の中に、「気象学史研究連絡会」が発足しました。ウェブサイトは、次のところにあります。https://sites.google.com/site/meteorolhistoryjp/趣旨説明は、気象学会…

「地球温暖化に関する認識は原因から結果に向かう思考によって発達した」

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】この記事の題目と同じ題目(ただし、かぎかっこなし)の文章(増田, 2016)を、2016年1月、日本科学史学会の雑誌『科学史研究』にのせていただいた。わたしはその学会の会員ではないのだが…

記事カテゴリー「学史」 = 学問(科学)の歴史に関する話題

このブログには、科学の歴史に関する話題をときどき書いている。地球科学、そのうちでも気象学のdisciplineの中にいた立場から、その学問がどのように発達してきたかについて書くことが多い。「学説史」と呼べそうなものもあるが、学問の道具や人の組織・制…

地球温暖化の認識の発達にかかわる山本義一の業績

山本義一 (1909-1980) (大先生であるがここでは歴史上の人物扱いという意味で敬称略)は、1946年から1973年まで東北大学教授をつとめた気象学者で、大気乱流と大気放射の両方にわたって世界の気象学に貢献した。その業績の概略は田中(1980)に紹介されている。…

『数値と客観性』(Porter: "Trust in Numbers")をめぐって

Porter (1995/2013)の『数値と客観性』(原題 Trust in Numbers)の読書会に参加した。そこでわたしが発言したことについてのメモをここに出しておきたい。(読書会全体の論点の紹介ではない。この本と直接関係ない論点もある。)(読書会は2か所を通信でつないで…

オーケストラ

【別のブログに、[2011-09-08の記事]、そのあちこちの部分の補足を[2011-10-07の記事]として発表した内容ですが、補足を本文に埋めこみ、少しだけ修正したものです。】【ブログの「カテゴリー」をあまり多くしたくないので「フィクション」に含めましたが、…

環境決定論・気候決定論に関する勉強途中の覚え書き

このごろ、「環境決定論」あるいは「気候決定論」のような話題に接することがいくつかあった。どうやら、関連があることはあるが別々の問題がまざっているようだ。まだ整理の途中なのだが、いつ完了に至るかわからないので、ひとまず書き出してみることにす…

地球の年齢に関するKelvinの議論はどのようにまちがっていたのか?

科学者が当時としてはまじめに考えた結果が、あとの時代の科学の視点から見ると大きなまちがいだった、という話の例として、Kelvin (William Thomson, 1824 -- 1907; Lord Kelvinになったのは1892年だが便宜上一貫してこの名まえで呼ぶことにする)による地球…

ホイッグ(Whig)史観・「勝てば官軍」史観と「地球温暖化の発見」

【わたしは自然科学者であり、自然科学のうち自分の専門に近い分野の仕事について専門外の人に説明する役まわりになることが多い。そのなかでは専門知識が発達してきた過程を歴史的に説明することもある。そういうとき、科学史の立場から見てもまちがいのな…

病的科学 (3) ミトゲン線についてもう少し

[2012-10-06の記事「病的科学(2)」]で話題にしている「ミトゲン線」の件について、「T」となのるかたからMetcalf and Quickenden (1967)という文献の情報をいただいたので、その文献に目をとおしてみた。これはNatureの「Letter」だが、当時のこの雑誌のこの…

大気大循環シミュレーションによる知識の位置、とくに荒川差分スキームについて

[別記事]で述べた科学基礎論学会のワークショップ「シミュレーション科学の哲学的基礎」の(たぶんワークショップの本筋ではない)ひとつの話題について考えたことを書く。田名部 元成(たなぶ もとなり)さんの講演「シミュレーションのシステム哲学的基礎」の…