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武蔵野線 [むさしの せん]

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

【この記事は個人的なおぼえがきです。わたしが認識するかぎりで正しいことを書くつもりですが、専門的権威のある記述ではありません。】

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わたしは、2022年の途中から、通勤する日にはほぼ毎日 JR 武蔵野線にのっている。そのまえも、2006年ごろから、たびたび (大学の学期中の毎週1回ぐらい) 利用していた。(1976年から東京にすんでいたにもかかわらず、2005年ごろまではほとんどのっていなかった。)

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武蔵野線は、貨物線として計画された。1960年代、陸上輸送の主役は鉄道貨物だった。東京が都市として発達して、東京を発着する貨物と通過する貨物の両方がふえた。通過する貨物は東京をとおさず周辺をまわすための環状線がもとめられた。いまの武蔵野線、京葉線、りんかい線をあわせた、東京をとりまく環状の貨物線が計画された。

いま、旅客線としての武蔵野線は、府中本町から西船橋までだ。西船橋から南船橋と市川塩浜のふた手にわかれて京葉線に合流するが、その部分は京葉線の一部というあつかいらしい。それにくわえて、府中本町から鶴見までの貨物線がある。そこをとおる旅客列車は、この区間に停車しない臨時列車だけだ。この区間の旅客輸送は南武線にまかせればよいと考えられたのだろう。

いまも武蔵野線を貨物列車がとおる。コンテナ車がおおいがタンク車もある。わたしは列車数をかぞえていないが、通勤旅客としての観察にもとづく主観的なけんとうでは、旅客列車が8両で10分に1回ぐらい、貨物列車が16両ぐらいで1時間に1回ぐらいだから、車両数にして 旅客 3: 貨物 1 ぐらいだろうか。駅を通過する貨物列車自体を見てもどこからどこにいく列車かはわからないのだが、事故のニュースで知った (わたしはその日にはいなかった) 一例は、鹿島港から東京湾岸 (品川区) の貨物駅へ行くものだった。本来の環状線ならば、この需要にこたえるのは、総武線から京葉線・りんかい線にまわる列車だったはずだ。りんかい線が旅客専用で開業したのは、当初の構想からみると意外なことだ。

いま、地球温暖化防止のために化石燃料消費削減がもとめられていること (こちらは電気自動車のトラックでもよいのだが) と、トラックの運転手不足で、鉄道貨物の需要はたかまっているとおもう。武蔵野線をつかいつづけるとともに、京葉線・りんかい線にも貨物をとおすように、設計しなおすべきときにきているかと、運輸についてはしろうとながら、おもう。

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(Wikipedia 日本語版 「武蔵野線」の記事によれば)、武蔵野線の旅客開業は、1973年4月、府中本町 - 新松戸 間だ。

【そのまえ、1960年代の子どもとして、わたしは工事中の線を紹介する新聞記事をみたおぼえがある。なぜか (「恋」には興味がなかったにもかかわらず) 「仮称 西恋ヶ窪駅」 (開業した駅名は西国分寺) をおぼえている。】

(ここから現状の話だが) 府中本町から南へは、武蔵野線の定時旅客列車がないだけでなく、南武線にのりいれる電車もなく、かならずのりかえになってしまう。武蔵野線と南武線をつなぐ線路はあるのだが、その線路には府中本町駅のプラットフォームがないのだそうだ。

西船橋から南へは、京葉線にはいり、南船橋から海浜幕張へ行く列車と、市川塩浜から東京 (京葉線ホーム) へ行く列車にわかれる。

西国分寺で「東京行き」は 2種類ある。東京駅に行きたい人に武蔵野線はすすめられない。改札口のある階を2階として、中央線は1階、武蔵野線は3階だから、この駅をつかいなれている人はまちがえないが、なれない人がのりばをさがすときにはまぎらわしい。(「武蔵野線東京行き」と「京葉線東京行き」が同じものをさし「中央線東京行き」はちがうという事情がわかりにくい。)

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武蔵野線の駅名には、「東」「西」「南」「北」「新」の接頭語がついた名まえが過半数だという特徴がある。こうなったのは、武蔵野線は貨物線として既存の市街地をさけてつくられ、既存の市街地にはすでに他の鉄道線の駅があったからだ。(「新座」は接頭語「新」のつく駅名にはふくまれない。新座 [にいざ] 市の最初の国鉄駅だった。ただし、新座市の最初の駅とはいえないだろう。東武東上線の志木駅は新座市の駅でもある。)

JRどうしの乗りかえは、あまり便利でない。すでにのべた府中本町で南武線のほか、西船橋で総武線(・中央線) 各駅停車、新松戸で常磐線各駅停車 (千代田線のりいれ)、南浦和で京浜東北線、武蔵浦和で埼京線 (これは快速もある) にのりかえできる。しかし、総武快速線、常磐快速線、宇都宮線(東北線)・高崎線の中距離電車 とは直接のりかえられない。市街地の主要駅をはずしてできた線であることがたたっているのだ。西国分寺では中央線の (特別快速以外の) 快速にのりかえられて、わりあい便利なのだが、これは中央線が三鷹から西では複々線になっていないおかげだ。

東武とののりかえは便利だ。北朝霞で東武東上線の朝霞台、南越谷で東武スカイツリー線 (そのさきで伊勢崎線と日光線にわかれる) の新越谷に接続する。駅名がちがい、改札を出るが、ほぼ直交した線路でできる4つの象限のひとつの駅前広場を共有していて、のりかえは単純だ。また、東武はのりかえ駅に急行などをとめている。東上線は 2023年3月のダイヤ改正で、それまで朝霞台を通過していた「快速急行」を、(「川越特急」にあわせて) 朝霞台に停車、となりの志木を通過に変えた。志木は東上線の電車運用上の重要な駅 (複々線の終点) であり、駅ビルにショッピングセンターもある (朝霞台にはない) にもかかわらず、東武鉄道は武蔵野線とののりかえ客のほうを重視しているのだ。ただし、(東武がながらく便利にしてきたおかげで) 通勤・通学客がふえて、武蔵野線の北朝霞駅 (島ホーム 1つ) が混雑して人のながれがつまりやすくなっているという問題がある。これについておもうことは別の記事にするかもしれない。南越谷駅は (わたしは通勤ピーク時間帯にとおっていないのでくわしく知らないが) 対面ホームなので比較的うまくいっているとおもう。

西武とののりかえは不便だ。武蔵野線の新秋津駅は西武池袋線との交点付近にあるが、西武の秋津駅はまえの位置のままで、のりかえ客は (連絡通路ではなく) 街路をあるかないといけない。わたしは中央線から武蔵野線を経由して西武線にのりかえようとしたとき不便に感じた。しかし、中央線と西武線とののりつぎは、西武国分寺線があるので、武蔵野線を経由するのはへたな方法なのだろう。

つくばエクスプレスとののりかえの南流山駅は、改札はあるが駅の外に出ないでのりかえられる通路がある。京成・新京成・北総線とののりかえについては、わたしはよく知らない。