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2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

各専門は、それを副専門にする人のための研修の場を

【科学技術社会論学会大会の中で、「(いろいろな専門に進む人に共通の)教養教育としての科学技術社会論的な教育」のような話を聞いた。また、一般人の「科学リテラシー」の問題のほかに、科学者が「社会リテラシー」をもつことが必要だが、それはどのように…

TPP参加に非常に強い条件つきで賛成(このままでは反対)

(当然ですが念のため。このブログの記事はわたし個人の考えであり、勤務先その他の所属組織を代表するものではありません。)民主党政権が続くほうが、自民党政権にもどるよりはかなりましだと思っているのだが、民主党党首(現在の総理大臣)が、民主党を支持…

国会議員定数の問題は単純ではないと思う

国会の衆議院解散前に定数是正ができず、このまま選挙では憲法違反ではないか、憲法違反の選挙で選出された議員による議決は有効なのだろうか、という問題が生じそうだ。(議決を全部無効にしたら定数是正さえできなくなるので、なんらかの線引きをする必要が…

南カリフォルニア、2005年1月と6月

(ひさしぶりにカリフォルニアに行くことになりそうなので、記憶が混ざらないうちに前に行ったときに乗った公共交通機関のことを書き出しておく。自分以外の人にはあまり意味がなさそうな記事だが....)2005年の1月にSan Diegoで学会、6月にOrange CountyのCos…

経済が成長しないのをとがめて政治家をむだづかいするな

エネルギー資源消費を自由にふやせない条件で経済が成長するのには政策に加えて幸運が必要だ。経済が成長しなかったからといって次々に内閣を退陣させていたら政治家がなん人いてもたりない。

科学技術社会論の課題としての(仮称)ニセ科学問題

(考えがまだよく整理されていないのだが、17・18日の科学技術社会論(STS)学会大会のときにだれかと話をする材料のために、書き出しておくことにする。[2012-11-18追記] 残念ながら学会のときにはだれともこの話題で話をする機会がとれなかった。他の仕事をか…

宮脇昭氏の「森の防波堤」論をめぐる暫定的考え

宮脇昭氏の「森の防波堤」論についての論争をネット上で見た。宮脇氏のこの主題の本は見かけてはいるが実質的に読んでいないので、どう評価してよいのかよくわからない。しかし、すでにtwitter上で断片的に発言してしまい、それだけではわたしの考えがうまく…

地球環境データの権利問題

(前の記事に続き、データ提供者の立場を念頭においた問題整理の試み。)地球環境データについては、それぞれのデータセットによって、それを使うことのできる権利がさまざまに設定されていることが、とくにデータを提供する立場や、データを加工して二次的製…

専門的データの利用の形(提供の形を考えるために)

IT

(ひとまず前提を省略し、わかる人にだけわかるように書いていることをお許しいただきたい。)専門的データを提供する際に、いくつかの利用のしかたを区別して対応する必要があると思う。わたしは地球環境に関する時空間分布をもった数量データを想定している…

かけ算にはみんなが共有する正しい順序はない

Twitter上で、また、小学校の算数で、かけ算の「式をたてる」ときに、たとえば「『3×5』とするのは正しいが『5×3』とするのは正しくない」というような指導をしてよいか、という議論が見られる。交換法則が成り立つので結果の数値は等しいのだが、「式の意味…

DJF、JJA

気候学者や気象学者にとって、季節が重要なものごとであることはまちがいない。しかし、いつからいつまでを何という季節と呼ぶべきかとなると、こだわるかこだわらないかの両極端に分かれるようだ。直前の記事で紹介した「日本には6季がある」と主張する人々…

梅雨、秋雨/秋霖

日本の気候あるいは季節の話をしようとすれば、梅雨を無視はできないだろう。一般の日本語圏では、「梅雨」と書いて「つゆ」と読む熟字訓がよく使われる。しかし気象学用語の「梅雨」は「ばいう(Baiu)」である。第2次大戦後の国語政策で学術用語には熟字訓を…

「EM (有用微生物群)」と科学教育の問題 (3)

[8月12日の記事][9月26日の記事][10月4日の記事]に続く話題。今回もtwitterでの呼吸発電(breathingpower)さんからの話題をもとに少し調べたことと感想。必ずしも「科学教育」に直接関係するものではないが、問題関心は続いているのでこの表題にした。== EMは…

世界の食料需給についての心配

世界の食料問題について(およそ2050年ごろまでを展望して)、食料危機は起きないとする楽観的見かたと、起きるかもしれないというやや悲観的な見かたの話を聞く機会があった。(きっと起きるという非常に悲観的な話はなかった。) 公開の会合ではなかったので、…

活断層かどうかと原子炉稼動の判断は分けて考えよう

原子力発電所の立地場所に活断層があるかどうかの判定は前から問題になっている(渡辺ほか, 2012)。そのうちで最近ニュースになったのは、福井県大飯(おおい)原子力発電所の構内にある断層らしいものが活断層かどうかということだった。NHKは次のように報道し…

風向のデータ伝達は要注意

原子力規制委員会が、原子力発電所にもし事故が起きた場合に放射性物質が風によってどう広がるかのシミュレーションの結果を発表したが、シミュレーションの材料となった風の観測データの風向の表現の解釈がまちがっていたので、結果もまちがっていた、とい…

科学的情報を伝える際のむずかしさ

環境問題に関する科学的知識を、社会的意思決定につなぐために、多くの人々に理解してもらう必要がある。ところが、そこに、なかなか説明がむずかしいことがある。(どうむずかしいかを説明することさえ簡単ではない。ひとまず自分用の覚え書きとして書き出し…