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TPP参加に非常に強い条件つきで賛成(このままでは反対)

(当然ですが念のため。このブログの記事はわたし個人の考えであり、勤務先その他の所属組織を代表するものではありません。)

民主党政権が続くほうが、自民党政権にもどるよりはかなりましだと思っているのだが、民主党党首(現在の総理大臣)が、民主党を支持することはTPP参加を支持することだと主張する。これには困った。TPPの中身を問わずに参加するのでは、アメリカ合衆国(のうちのTPP推進勢力)の言いなりになりそうだ。それは阻止したい。参加するならば、中身をどうするかについての主張を持った参加でなければならない。

わたしはTPPという形式に反対するわけではない。貿易の不合理な障壁をなくすことにも賛成だ。ただし、生産過程(あるいは廃物になったあと)で環境や天然資源の持続性をそこなうことによって安く売られている商品には、課徴金をかけるなどして、持続性をそこなっているぶん高くなるようにすることこそ、公正な貿易になるのだと思う。昨年11月11日の記事「TPPを環太平洋地域の食料生産を持続可能にするための連携にしよう」に書いたことを、もう一度主張したい。

[2012-11-26補足] 日本の農業も化石燃料を使っているので、化石燃料を使った農業の産物を輸入する場合の課徴金は、単位量あたりで日本のものよりも多い化石燃料を使っている場合に、その多いぶんに比例させるべきなのだろう。しかし、飼料用の穀物などについては、輸入量に比べてわずかな日本での生産の状況を基準とするのはかえって変だとわたしは思うのだが、輸出国に納得させるのはむずかしいかもしれない。