2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
IPCCの報告書にしっかりした裏づけのない記述があったことの再発防止策として、科学者たちが議論していることを断片的に聞いた。断片的情報なのでわたしが誤解しているおそれがあるが、基本的に、IPCC報告書自体の査読も、また材料として査読済み文献を使う…
北極海の海氷の広がりは、人工衛星による観測が継続されている最近30年間ほどを通してみると減少傾向がある。これは地球温暖化の一つの現われであり温暖化を強める要因でもあると考えられることが多い。とくに2007年9月に観測史上最小になったことは大きく話…
(3月21日の記事で書ききれなかったことの一部。本業での実践にあまりつながっていないので気がひけるのだが、読書で得た知識を提供することも社会への貢献かもしれないと思う。それにしても生煮えなので、今後も改訂するつもりである。)科学者の行動規範は、…
科学者は政治にどうかかわったらよいかは、むずかしい問題だ。政治と言ってもいろいろな問題があるが、ここでは、政策の決定・選択にしぼってみる。(ここに書いた考察は、Pielke (2007)の本を読んで、賛同したところと、賛同できなくて自分の理屈を考えたと…
[2010-03-21: この記事は3月13日から少しずつ書きたしたり改訂したりしてきた。どこをいつ書きかえたかを明示しようとしてみたが、あまりに複雑になるので、今後は省略する。]科学の話題がニュースになるのは、新しい研究論文が発表されたときが多い。しかし…
【[注(2019-01-17) このページからのリンクさきのページは消滅してしまったところがおおい。IPCCのウェブサイトにあったページのばあいは、www.ipcc.ch を archive.ipcc.ch にかえたアドレスにのこされている可能性があるが、まだ個別にたしかめていない。】…
科学・技術や環境の話題では、個別の新しい研究論文をあわてて紹介するべきでなく、年単位での進展を見るべきであることは、わたしは強く主張したいことで、「日々主義から年々主義へ」として書いたこともある。それに反するのだが、前からあるべきだと思っ…
人間社会が持続可能なものになり、それを達成するまでに悲惨なことがなるべく少なくてすみ、しかも近代文明によって得た幸福をなるべく失わないようにするには、どういう政策を考えたらよいだろうか。人間活動が地球環境(生態系と物理化学的地球表層システム…
WikiといえばWikipediaと思う人が多いが、wikiというのはソフトウェア技術の名前で、Wikipediaはその技術を使って実現した百科事典(というインターネット上のサービス、というべきか?)だ。Wikiの語源はハワイ語のwiki-wikiで、英語のquickに近い意味だそうだ…
IPCCとWikipediaとは共通の特徴をもっていることに気づいた。(わたしはIPCCには直接かかわっていない。IPCC報告書(もちろん全部ではない)を読んだのと、IPCCに採用されることを想定した研究活動にいくらかかかわっているだけだ。IPCCに深くかかわっている人…
2月11日に書いたIPCCの将来に関する個人的考え(その1)の続き。自分の能力の小ささをたなにあげて大言壮語する。人間活動が環境に影響し人間社会の持続性をおびやかすという問題は、地球温暖化に限ったものではない。とくに、生態系・生物多様性への影響は、…
IPCCは地球温暖化の見通しに関する「合意」(consensus)を得た、という言いかたがよくされる。これをどうとらえたらよいのか。科学は合意を求めるものではなかったはずだ。しかし政策決定者は科学者の認識がどのくらい一致しているかを知りたいのだ。認識に幅…
2月28日に気候変化(地球温暖化)の何がどのようによくわかっているのかの記事を書いた際には、その前の1月29日のIPCCの将来に関する個人的考え(その1) 巨視的な小さな国際組織で3つあげた論点のうち最初のものだけをくりかえし、あとの2つは省略した。 今後1…