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静岡県 牧の原 での たつまき (3)

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

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[2021-05-02 静岡県 牧の原 での竜巻らしい突風についての おぼえ書き][2022-12-09 静岡県 牧の原 での たつまき (2)] のつづき。

2021年5月1日の事例について、山本 晴彦 さん (山口大学) ほかによる論文が出ていることを知った。

5月4日に現地調査をし、気象庁、静岡地方気象台、静岡県、牧之原市、国際航業 の 報告や 国土交通省の X-RAIN レーダーデータを参照して、くわしい報告をまとめている。

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わたしの 2022-12-19 の記事で参照した (気象庁のウェブサイトにある) 静岡地方気象台の 2021-11-02 の報告では、この日の突風を、(1) 沢水加(さばか)から 布引原(ぬのひきはら)で JEF 2、(2) 勝田(かつた)から切山(きりやま)で JEF 1、(3) 坂部(さかべ) で JEF 1 の 3つを区別して認識している。(2) と (3) は 5月中に出された速報 (わたしの 2021-05-02 の記事で参照した) ではいっしょにされていたが、11月の報告は被害状況にもとづいて別々のものと判断している。また、速報では (1) の発生時刻が 18:50 ごろとされていたのだが、11月の報告では 18:30 ごろとなり、(2), (3) と同じになっている。しかし、(1) と (2) との関係についてはのべられていない。

山本ほか (2022) の論文は、2021-06-01 に投稿が受けつけられ、2021-10-30 に訂正稿が受理されている。静岡地方気象台の 11月の報告よりまえに書かれたものなのだ。こちらでは、(1) (2) (3) は、ひとつの JEF 2 のたつまきが移動したものと解釈されている。

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山本晴彦さんは農業気象が専門で、災害科学にもながらくかかわっておられる。わたしが知っている業績は、日本が第2次世界大戦前・戦中に植民地や実効支配地で展開していた気象観測網についての調査で、ちかごろ出たつぎの本をお贈りいただいたところだった。

  • 山本 晴彦, 2023: 中央気象台 — 帝国日本の気象観測ネットワークの展開と終焉。 農林統計出版, 663 pp. ISBN 978-4-89732-475-3. [読書メモ]

その関連の著作物を検索していたところ、山口県周辺ばかりでなく静岡県まで災害調査に来ておられたことを知って、おどろいたしだいである。