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静岡県 牧の原 での竜巻らしい突風についての おぼえ書き

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも明示しません。】

【専門的知識の提供は「-2-」の気象庁ウェブサイトの紹介だけです。そのほかは気まぐれな個人的おぼえ書きです。】

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わたしは気象を専門としているが、ローカルな短時間のはげしい現象については、くわしく検討したことはなく、一般論的な知識しかない。しかし、それが起こった場所が自分が知っているところだと、いくらか気にかかる。むかしとちがって今は、ネット検索でかなりの情報の断片がえられる。しかしまとまった認識がえられるとはかぎらない。ひとまず断片を書きとめておく。

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2021年5月1日の晩に、静岡県中部で、竜巻らしい突風があった というニュースがあった。

気象庁が「竜巻がおきた」とはっきり言うのは、現地調査をしてからである。発生後すぐの発表は「突風」という形になる。それで、報道も、竜巻であるかどうかは可能性としてしか書かない。

静岡新聞の見出しで「沼津でも被害」というのは、同じ竜巻が牧の原から沼津まで行ったということではなく、それぞれの地区で突風が生じたということにちがいない。

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気象庁の本庁のウェブサイトのホームページから簡単にたどれる範囲には (5月2日の晩の時点では) 直接これに関する記事は見あたらない。

静岡地方気象台のウェブサイト https://www.data.jma.go.jp/shizuoka/ には、(5月2日の晩の時点では) 2つ記事が出ていた。その後に出た関連する記事をふくめて列挙しておく。

  • 2021年5月2日「気象庁機動調査班による現地調査の実施について(静岡県牧之原市で発生した突風に関する調査)」を掲載しました (PDF https://www.data.jma.go.jp/shizuoka/shosai/info/pdf/0502houdou.pdf ) ... これは調査をはじめたという報道発表で、結果の話はまだない。
  • 2021年5月2日「5月1日の突風発生時の気象状況」を掲載しました (PDF https://www.data.jma.go.jp/shizuoka/shosai/info/pdf/0502sokuhou.pdf ) ... 天気図、気象衛星画像、レーダー画像と、気象庁がどのような注意情報を出したかのリストがある。
    • 注意情報のなかみは、気象庁ウェブサイト https://www.jma.go.jp の「防災情報」の「気象防災」のうちの「気象情報」で都道府県をえらぶと最近数日ぶんが見られる。それより古いものがどうすれば読めるか、わたしはまだ知らない。
  • 2021年5月2日 令和3年5月1日に静岡県牧之原市で発生した突風の現地調査結果について (PDF https://www.data.jma.go.jp/shizuoka/shosai/info/pdf/20210501_mot_JEF2.pdf ) ... 牧之原市で1日18時50分ごろにおきた突風についての気象庁機動調査班による現地調査の報告。要約文を引用しておく。

5月1日18時50分頃、静岡県牧之原市布引原(ぬのひきはら)で発生した突風の種類は、竜巻の可能性が高いと判断しました。その強さは風速約 55m/s と推定され、日本版改良藤田スケールでJEF2に該当します。

5月1日18時30分頃、静岡県牧之原市勝田(かつた)から坂部(さかべ)にかけて発生した突風の種類は、竜巻の可能性があるものの特定に至りませんでした。その強さは風速約40m/sと推定され、日本版改良藤田スケールでJEF1に該当します。

5月1日 18 時 40 分頃、静岡県牧之原市須々木(すすき)で発生した被害をもたらした突風の種類は、竜巻の可能性はあるものの特定に至りませんでした。その強さは風速約35m/sと推定され、日本版改良藤田スケールでJEF0に該当します。

今後、気象庁本庁のレベルで重要と判断されたら、気象庁ウェブサイトの「各種データ・資料」の「気象」の「竜巻等の突風データベース」のところに報告がのるだろう。わたしはこの事例の情報をおいかけることを約束はしないけれど、気づいたらこの記事に補足することにしたい。

【[2021-05-03] 5月3日、静岡地方気象台のウェブサイトに、沼津の突風についても機動調査班による調査をしているという記事が出た。しかし、わたしはそちらの件はおいかけないことにする。】

なお、気象庁が提供する 竜巻についての知識は、気象庁の「竜巻ポータルサイト」http://www.jma.go.jp/jma/menu/tatsumaki-portal.html からたどることができる。「日本版改良藤田スケール」の説明もそこからリンクされている。

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わたしは駿河・遠州・三河でそだった。とくに、生まれたところと、小学校に入学したところは、静岡県 島田市の大井川のすぐ北側のところだった。

小学生のころ、大井川の対岸 (南側) には山のようなものがあるように見えた。そこへ歩いて行ったことはなかったが、バスで運ばれて行ったことは何度かあった。行ってみると、その上は平坦な台地面だった。「牧の原台地」とよばれていること、明治時代のはじめに開拓されて茶の産地として知られるようになったことを聞いた。

高校生のころ、牧の原台地は、第四紀 更新世 後期につくられた段丘面であることを知った。

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今回、竜巻らしい突風の被害がおきたところとして、「牧之原市 布引原」という地名が出てきた。わたしはその地名におぼえがない。しかし、いまどき、ウェブ上の地図サイトで地名から検索して地図上に表示させることはできる。2005年以前の榛原[はいばら]町の内陸部だ。

地形との関係をみるには国土地理院の「地理院地図」 https://maps.gsi.go.jp/ がよい。布引原は、牧の原台地のうちでも、(北にはもうすこし高いところがあるが、東西方向でみれば) いちばん高い平坦面だ。179 m の標高点がある。たぶんそこの地面の高さと見てよいだろう。「矢崎部品工場」がある。矢崎部品は、島田市 横井 (島田駅から南西のほう) に工場がある (そちらはわたしが子どものころからあった) 矢崎計器の関連会社だ。

民間会社の地図サイト MapFan https://mapfan.com/ で同じところをみると、矢崎部品よりはちいさな工場がいくつもあることがわかる。また、数百メートル北 (行政区域としては菊川市にはいるが) には、県の茶業試験場がある (これは旧名で現在の正式名称はちがうのだが、交差点名が「茶業試験場前」になっているので、旧名のほうが通じやすいのだと思う)。たぶん、わたしが小学生のころ (1960年代) 見学した茶の産地としての牧の原の中心部で、1980年代ごろから工業団地として再開発されたのだ。

静岡空港はここから東北東に 4 km ぐらいのところにある。(近いというべきか遠いというべきかは、人によるだろう。) ここも島田市にすむ子どもだったわたしにとっては「牧の原」だった。空港の北側は島田市 (1961年以前は初倉村)、南側は牧之原市 (2005年以前は榛原町) だ。空港の地表面は人工的に平坦にされているが、もともと台地面ではあった。その標高は約 130 m だ。布引原あたりの平坦面とは直接つながっておらず谷をはさんでおり、標高差も 50 m ぐらいある。もともと同じ面だったのがのちの隆起のちがいで高さがずれたのか、同じ時代に別々につくられた平坦面なのか、時代がちがうのか、研究されてわかっていると思うが、わたしは (この地域にゆかりがあり、日本第四紀学会員でもあるにもかかわらず) 知らない。