気象に限られない流体力学の用語だが、流体以外の物理の人はたぶん別のものを考えてしまうだろう。
重力波(英語ではgravity wave)とは、重力を復元力とする古典力学的な波だ。海の波(波浪)も重力波だ。ただし気象で扱う重力波はたいてい「内部重力波」で、大気の中を3次元的に伝わる波だ。
流体以外の分野の人が「重力波」と言ったら、重力そのものが波として伝わることをさすことが多いと思う。こちらは英語ではgravitational waveだ。
【「パリティ」2012年5月号38ページの記事の表題に「重力波」があるが、これは気象の話だ。しかしすぐ前の35ページの本の広告にある「重力波」はgravitational waveのほうだ。
気象も含む地球物理は物理でないと思う人が多いかもしれない(わたしも、もし物理と地球科学のどちらかと言われれば地球科学だと思う)。しかし「パリティ」が記事をもらっているPhysics Todayを発行しているAmerican Institute of Physicsには、American Geophysical Union (アメリカ地球物理学連合)も参加している。Physics Todayの科学ニュースに気象の話題が含まれるのは当然なのだ。】
【[2015-07-04補足] その後、AGUはAIPのメンバーから抜けてしまった(連携団体ではある)。しかし、American Meteorological Society (アメリカ気象学会)がAIPのメンバーになった。】
