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生物季節観測についての動き: 国立環境研究所で各地のボランティア調査員募集

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも明示しません。】

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気象庁のしごとのうちに「生物季節観測」というものがある。さくらの開花の日付がよく知られている。 季節に応じておきる植物や動物の変化の日付を、毎年条件をそろえて記録してきた。英語ではこのようなものを phenology (フェノロジー) という。気象庁のウェブサイトにはつぎのページがある。

気象庁は、2021年4月から、生物季節観測の種目をおおはばにへらしてしまった。このブログでは、予定の段階で、[2020-11-14 梅はさいていたか (2)]の記事でふれた。

いま気象庁でつづけられている生物季節観測の種目は、うめ、さくら、あじさい、すすき (それぞれ開花) と いちょう、かえで (それぞれ紅葉 (または黄葉) と落葉) の 6 つである。

同じウェブページに、気象庁の前身の中央気象台だった1953年からのデータものせられている。ながらくつづけられてきた記録がとぎれるのは残念なことだが、生物季節観測は、気象そのものの指標ではなく、気象の影響をうけた生態系の情報の指標だから、気象庁の業務のなかで大きな予算配分をすることはむずかしいのだろうとは思う。むしろ環境省の分野だが、環境省の職員が気象庁のように現場で観測する態勢はとれない。

どうなることかと思っていたが、自分では何もできないでいた。

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2021年5月31日、西廣 淳 さんのツイートで、つぎのことを知った。

国立環境研究所 の 気候変動適応センター 気候変動影響観測研究室 (西廣さんが室長) で「生物季節モニタリングの調査員」 を募集している。

「気象庁・環境省・国立環境研究所は、過去の生物季節観測を可能な限り継続しつつ、現代的な形で発展させる試行調査に着手しました。」ということだ。

その試行調査の一環を、気候変動影響観測研究室の研究としておこなうので、ボランティアとして各地の現地調査を担当してくれる人がほしい、ということだ。対象は、過去の気象庁による観測とつながるものがのぞましいとされている。

わたしはくわしいことはわからないが、このような試みが成功して、気候変化の影響をうけた生態系の変化の観測がつづくようになってほしいと思う。