macroscope

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ブログを始めるにあたって

わたしは科学者だ。 そして、現代の人間社会がせまられている意思決定のために科学の知識をもっと役立てたほうがよいと思っている。(科学から出てくるのは意思決定そのものではなくそのための参考知識だが。) そのために、科学の知識をもつ人が、それを世の中に提供する活動をもっとしなければならないと思う。

先週から今週(2009年11月11日から)、内閣の下の行政刷新会議による「事業仕分け」があり、その対象として科学関係の予算が多数とりあげられた。これを機会に、ウェブ上にはいろいろな意見が見られるが、全体ひとまとめに、科学技術への投資が大事か、税金の節約が大事かという議論が多いように思われた。もう一段詳しく、科学技術へのどんな投資の形が望ましいのかを論じて政策に反映させなければいけないだろうと思う。 わたしは、次のような事情でこれまで遠慮してきたのだが、社会に対して自分の意見をもっと積極的に言うことにしようと思う。 ただし、科学技術予算の件はきっかけにすぎず、今後の話題の中心にはならないと思う。(いずれにせよわたしはお金の話は苦手なのだ。) むしろ、「地球環境の制約の中での人間社会の持続可能性」と表現できるような話題について議論したいと思っている。

わたしは、今は、国家公務員ではないが、間接的に国の予算つまり国民の税金から給料をもらっている。 ときには科学者という職種の利害に沿った発言をすることがあるだろう。 また、わたしは雇い主である組織に対する忠誠心が乏しい(雇い主の立場から見れば困ったことだろう)が、まじめに働いている同僚が仕事を続けられることを望むので、組織の利害に近い発言をすることもあるかもしれない。 わたしの考えのそういう偏りを指摘してくださるのはけっこうだ。 しかし、わたしの発言を所属組織の利害に沿ったものと決めてかかることや、逆に内部告発的発言を期待することは、しないでいただきたい。

また、お恥ずかしいしだいだが、わたしは仕事のしかたがまずく、まわりの人に迷惑をかけてしまっている。 (その内容を述べることは当面ごかんべんいただきたい。追い追い具体的な仕事の話はするつもりだ。) 一方で、とどこおらせてしまった個別の仕事の約束を果たさなくてはいけないと、今あらためて反省している。 しかし他方で、わたしが近ごろ世の中からいちばん認められているのは、教材や読書ノートのウェブページだ。 いろいろな本を読んで自分なりにどの情報が使えるかを判断するのがわたしのとりえだと思う。 個別の仕事との時間配分に気をつけながら、大まかな評論活動も積極的にしていきたいと思う。

わたしは個人ホームページをNiftyのサイト http://macroscope.world.coocan.jp/ に置いている。 世界規模で情報交換しようと思ったので英語と日本語ローマ字のページを作ってみたのだが、実際には大部分のコンテンツは日本語(漢字かなまじり)で http://macroscope.world.coocan.jp/ja/ の下にある。

そのNiftyのサイトで blog "yuku kawa" http://macroscope.world.coocan.jp/yukukawa/ を始めてみたのだが、今のところ読書ノート関係のメモだけで、しかも更新がとどこおっている。 このblogと一本化するかどうかは、しばらく考えてから決めたい。

なお、このblogのポリシーはこれから運用しながら決めていくが、当面、次の点をおことわりしておく。 記事の内容はあとで修正することがある。 投稿時の歴史的情報を残すことにこだわらない。 修正を入れた場合は最新修正日付は明示するが、どの部分をいつ修正したかまでは示さない可能性が高い。 コメントについては、内容に関係があるものはわたしが賛同できない意見でもそのまま見られるようにしておくつもりだ。 (反対だと述べなかった場合にも必ずしも賛同したとは限らないので、コメントの著者の意見とわたしの意見を区別して読んでいただきたい。) しかし、内容に関係ないと思われるものは主催者としての判断で消すことがある。 その判断は勝手ながら主催者にまかせていただきたい。