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指のもつれ: remote sending

「空耳、空目、誤変換」というカテゴリーで書こうと思っていることの中には、この3つの用語がさす以外のこともある。そのひとつは、意図しない書きまちがいだが、日本語のローマ字・かな・漢字変換機能に由来するものではなく、手の動きに由来するものだ。キーボード上でまちがったキーを押してしまったり、押したつもりが押していなかったり、くりかえしてしまったり、といったものだ。「舌のもつれ」という表現にならって「指のもつれ」というのが適当だろう。

たとえば、わたしは最近1年間に何度も「原理食」あるいは「原理職」と書いてしまった。それまでめったに打ったことがない gensiryoku という文字列を打つはめになったせいだ。しかしこれはとくに興味のわくまちがいではない。

今思い出せる自分の「指のもつれ」のうちでいちばんおもしろかったのは、英語でremote sendingと書いてしまったことだ。ここはremote sensing (遠隔観測)と書くつもりだったのだが、遠くに何かを送ることになってしまった。もし byなになにで電磁波によることが示され、ofなになにで対象が質量のある物体であることが示されると、SF的設定になるのだが、そこまでおもしろい文にはならなかった。

[2012-09-21追記] 自分が書いた文章(別のブログ記事)を読みかえしていたら意味がとおらないところがあった。「その」とあるところは「どの」と書こうとしたにちがいないのだ。意識的に「その」と書いたのではなく、remote sendingのときとは逆向きに d と s のキーを押しまちがえたにちがいない。