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新型コロナウイルス患者の東京・埼玉・千葉・神奈川の市区町村別分布を見る (10) (7月17日まで)

【[お知らせ (2021-05-03)] この記事をふくむ、このシリーズ(1)~(15)の記事にあった図 (地図) は、個人ウェブサイトの[南関東4都県の新型コロナウイルス累積陽性患者数の市区町村別分布] のページにまとめました。このブログ記事に対応する図は、一覧表形式にしたうちの「2020-07-17」の行にあります。このブログ記事には図のあったところに日付と一覧表の列に対応する「図1」「図2」「図3」「図4」「図5」という文字を置きました。】

都道府県が発表した市区町村別(神奈川県は保健所管轄区域別)の陽性確認患者数のデータを地図上に表示する。

(9)の3週間後の7月17日までの人数で作図しなおしてみた。

患者数のデータ源は(1)..(9)の記事と同様。ただし、

  • 東京都は「第579報」(7月18日)の「別紙」 2020071801.pdf。
  • 埼玉県は「埼玉県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況(2020/07/17 18:30)」 jokyo20200717.csv 。
  • 千葉県は千葉日報のサイトから7月18日02時にダウンロードした 0717_0.jpg (内容は17日20時現在)。
  • 神奈川県は7月18日02時にダウンロードした patient.csv、内容の最後の日付は2020-07-17でその人数は43人。

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(2)の記事の2番めの図、(3)..(9)の記事の最初の図と同様に、市区町村別の陽性患者数(人口あたりではない)を記号(赤いまる)の数であらわす。記号は市区町村の代表位置(市役所など)の付近にしめされる。神奈川県の保健所管轄区域ごとの人数は、保健所のある市の代表位置にまとめてある。患者数が10未満のところは表示されていない。(東京都23区は全体として人数が多いということしかわからなくなった。)

[2020-07-17 図1]

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陽性患者数を人口(2020年3月1日現在の各都道府県推計値)でわったものの分布は、つぎのようになった。神奈川県は保健所管轄区域内の市町村を同じ色でぬった。

[2020-07-17 図3]

全体に人数がふえているが、分布の特徴は(3)..(9)からあまりかわっていない。

大きな値としては、東京都の新宿区(394.4人)、港区(167.3人)、中野区(133.1人)、渋谷区(130.6人)、豊島区(108.8人)、台東区(106.0人)、中央区(92.6人)、千代田区(86.3人)がある。埼玉県東秩父村(77.1人)は実人数2人、千葉県東庄町(566人)は実人数75人で、人口が少ないので人口あたりの値が大きくなった。

【[2020-07-20 追記] 東京都多摩地域にすむ者として気になっている、4月から数値は変わったが空間分布の特徴としてはひきつづきみられることを書きとめておく。

東京の西側では、区部 (世田谷、杉並) に対して、それに接した多摩地域の市 (狛江、調布、三鷹、武蔵野) で、人口あたりの陽性患者数がだいぶ少なく、空間分布に落差があるように感じられる。ただし、練馬区と西東京市(旧地名でいえば田無・保谷) とのちがいは落差というほどではない。都心の東側をみると、江戸川区、葛飾区、足立区は都心よりも少なめになっていて、都心から周辺にゆるやかに値がへっていくように見える。むしろ、世田谷区、杉並区が、都心でないにもかかわらず人口あたりの陽性患者数が多いことが、意味のある特徴なのかもしれない。

埼玉県のうちでは、(今回の東秩父村を異常値としてはずすと)、所沢市が最大で、今回は10万人あたり47.8人となった。所沢市は東京都に接しているけれども、その東京都がわは多摩地域であり、武蔵村山市、東大和市、東村山市、清瀬市の人口あたり患者数は所沢市よりもだいぶすくない。これは、東京(都心)への近さでは説明できない特徴だ。また、所沢がこのあたりの中心地だという考えでも説明しにくい分布だ。

ここからさきはデータをしらべないで言っている憶測にすぎないが、感染症への注意がひろまった状況でも、通勤や外まわりの仕事で市区町村の外とのあいだをいききしなければならない人のわりあいが、東京都区部および所沢市では多かったが、多摩地域では少なかった、ということなのかもしれないと思う。】