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2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

病的科学 (3) ミトゲン線についてもう少し

[2012-10-06の記事「病的科学(2)」]で話題にしている「ミトゲン線」の件について、「T」となのるかたからMetcalf and Quickenden (1967)という文献の情報をいただいたので、その文献に目をとおしてみた。これはNatureの「Letter」だが、当時のこの雑誌のこの…

(勧めたくない用語) 暖かい雨

気象学の話題で「暖かい雨(英語ではwarm rain)」「冷たい雨(cold rain)」という表現が使われることがある。これは、雨ができるしくみに関する分類だ。雲粒は水滴または氷の結晶で、雨粒も水滴だが、大きさが違う。雨粒ができるためには、たくさんの雲粒が集…

zonalとmeridional、東西方向と南北方向

気象に関する英語の文書では、zonal と meridional ということばがよく現われる。そのいちばん多く使われる意味は、地球上の位置を示す座標に関するもので、東西方向がzonalで、南北方向がmeridionalなのだ。たとえば、風について([2012-03-18の記事「西風は…

大循環

「大循環」ということばについては[「GCM」の記事]でふれたが、もう少し説明を加えたい。大気の大循環は、大規模な循環にちがいないのだが、この語の意味はそれだけではない。しかし、それではどういう意味か定義のような形で示そうとすると、そう簡単ではな…

活断層と原子力発電所

[2014-06-02の記事]で予告した「地球科学がからんでいるいくつかのリスクの問題」に関する2つめの記事で、記事の性格についてのおことわりはくりかえさないが前の記事と同様だ。活断層と原子力発電所の稼動あるいは建設の可否の判断にかかわる話題は、前に[2…

巨大火山噴火と原子力発電所稼動の複合問題

原子力規制委員会の、原子力発電所の再稼動を認めるかどうかの判断について、さまざまな議論がある。ここで起きている問題の原因としては、原子力規制委員会の役割を決めるにあたって、政策的判断を拘束しない態度で価値判断をできるかぎり含めないで行なわ…