【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】
【この記事は個人の雑談です。日本語教育の参考情報にはなるかもしれませんが、わたしはその専門家ではありません。】
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日本語では、母音の 長音 (2拍) と 短音 (タンオンとはあまりいわないが、短い音、1拍) との区別があり、とりちがえると別の意味のことばになってしまう。ローマ字表記でもそれを区別するくふうはあるのだが、省略されることがおおい。それが省略されたものだけを読んで長短の区別をしらない人がかかわると、日本語の語のとりちがえがおこりやすい。
(なお、日本語の方言にも母音の長短の区別がないものがあるらしいが、わたしはその実態をよく知らない。ここでの日本語の話題は共通語にかぎる。)
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日本語の2音節で、それぞれの母音を長音と短音とのどちらにしても意味のある語になるくみあわせをかんがえてみたら、まず「コト」があった。そしてわたしはこれを列挙するのに「コトコートーコートコトー」ととなえる習慣ができた。
この順序にしたのは、前半と後半がそれぞれ6拍なのがわたしのリズム感覚にあっていたからで、それ以上の意味はない。
【電信でつかわれていたモールス符号との連想がすこしある。わたしはモールス符号というもののおおまかな知識はあるが、自分でつかったことはなく、「トトツーツー ツートトツー」がどの文字に対応するかをおぼえていない。いましらべたら、日本語ならば「ノマ」、欧文 (ドイツ・オーストリア電信連合の方式)では 「ÜX」だが、そのような文字列を意識したことはない。】
そして、わたしがとなえるときには高低アクセントをつけて (さがりめを "⏋” であらわすと) "コ⏋ト コートー コ⏋ート コトー" と発音していることにきづいたが、これもどうしてそうなったのか意識していない。
それぞれの部分について、わたしがおもいうかべる語はつぎのものだ。(ローマ字は訓令式でかいている。)
- koto ... 楽器の「こと」 (琴 または 箏)、あるいは「古都」
- kôtô ... 「高等(な)」
- kôto ... 「コート」。上着の上 (外側) に着る衣服 (英語 coat から)、または「テニスコート」などの運動場 (英語 court から)。
- kotô ... 「孤島」、あるいは「湖東」 (湖のある地域で、湖の東がわの部分地域をさすローカル表現)。
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日常にでてくるかもしれない語で長短のくみあわせが全部そろうものはあまりおおくないようだ。もうひとつ気づいたのは「シュト」だ。わたしがおもいうかべる語はつぎのものだ。
- syuto ... 「首都」
- syûtô ... 「周到(な)」
- syûto ... 「シュート」。サッカーやバスケットボールなどの球技ででてくる語、英語 shoot から。ただし英語のこの関連の意味の shoot は動詞で、名詞は shot である。日本語でも「ナイスショット」などの文脈では「ショット」のかたちがつかわれる。
- syutô ... 「種痘」。これがすぐでてくるのはわたしが1960年代に小学生で、種痘という予防接種をこども全員がうける制度のある時代を経験していたからだろう。いまのわかい世代の人がどんな語をおもいうかべるか、あるいはなにもおもいあたらないかは、わたしにはよくわからない。
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「東京」は、外国語にまざった文脈では、ほとんどのばあい長音符号なしで Tokyo と かかれる。(「Tokio」とかかれるばあいもあるが、そこまで話題をひろげないことにする。)
そこで「トキョトーキョートーキョトキョー」をやってみる。
- tokyo ... おもいあたらない。漢語要素のくみあわせでおもいついたのは「都墟」 (都市の廃墟)。
- tôkyô ... 東京。
- tôkyo ... おもいあたらない。この記事をかいたあと、漢語要素のくみあわせでおもいついたのは「塔居」 (tower mansion)。
- tokyô ... 東京都交響楽団の略称として「都響」ということがある。「都境」 (東京都の境界線) はありうるが、さかいの反対がわは県だから、「都県境」 [とけんざかい] といわれるほうがふつうだろう。
- [2025-03-13 補足] 「渡橋」ということばがあることに気づいた。書きことばとしてはたしかにつかわれた実績がある。しかし、書きことばの読みあげではない話しことばでつかわれることがあるか、疑問におもう。
[2025-03-13 補足] ここでわたしは、辞書をひくなどの努力をせずに、おもいあたったことばだけをあげた。これは、日本語の語のひろがりを客観的に論じようとする記事ではなく、わたし個人がおもいつくことをのべている記事なのだ。
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日本語話者以外では、Kyoto と Tokyo とはおなじ要素からなっていて順序がちがうだけだとおもっている人はかなりいるとおもう。そこで kyoto もやってみる。
- kyoto ... おもいあたらない。漢語要素のくみあわせでおもいついたのは「去都」 (みやこ を さる)。
- kyôtô ... 「教頭」。1960-70年代の学校にはかならずいたのだが、いまは「副校長」でおきかわったところがおおいだろう。
- kyôto ... 京都。
- kyotô ... 「巨頭」。実際の「おおきなあたま」ではなくて、重要人物をあらわす比喩。