【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】
- 1 -
文部科学省が2018年2月14日に発表した学習指導要領の案について、[2018-02-15の記事]の続きの話題。
「地理総合」を考えるうえで、同じく必修科目になった「歴史総合」について、大まかに見ておくことにした。
- 2 -
「歴史総合」の項目の構成は次のようになっている。(これよりも細かい項目は、項目名がついておらず、複数のキーワードを含む文で記述されているので、まとめにくい。)
- A. 歴史の扉
- (1) 歴史と私たち
- (2) 歴史の特質と資料
- B. 近代化と私たち
- (1) 近代化への問い
- (2) 結びつく世界と日本の開国
- (3) 国民国家と明治維新
- (4) 近代化と現代的な諸課題
- C. 国際秩序の変化や大衆化と私たち
- (1) 国際秩序の変化や大衆化への問い
- (2) 第一次世界大戦と大衆社会
- (3) 経済危機と第二次世界大戦
- (4) 国際秩序の変化や大衆化と現代的な諸課題
- D. グローバル化と私たち
- (1) グローバル化への問い
- (2) 冷戦と世界経済
- (3) 世界秩序の変容と日本
- (4) 現代的な諸課題の形成と展望
歴史のうちで、近代・現代に特化している。資料を読むことと考察することを重視し、知識の項目は少数にしぼりこもうとしているようだ。
「現代的な諸課題」とは何をさすのかを見てみると、Bの(4)とCの(4)ではいずれも、「自由・制限、平等・格差、開発・保全、統合・分化、対立・協調」が列挙してある。Dの(4)では、「持続可能な社会の実現を視野に入れ...」という語句がある。BやCと同じ語群は書かれていないのだが、それを引き継いでいるようにも思われる。
現実の政治に対する価値判断の影響を受けがちな話題が多いと思う。イデオロギーの押しつけではなく「考察する」教育ができればよいのだが、心配だ。
- 3 -
「歴史総合」には「気候」も「自然環境」も出てこない。(「日本史探究」「世界史探究」には「自然環境」は出てくる。) 【したがって、このブログ記事を「大気水圏科学について」のシリーズに含めるのはあきらめた。】
「歴史総合」のDの(1)と(3)に、「資源・エネルギーと地球環境問題」は出てくる。おそらく、化石燃料と地球温暖化問題が意識されていると思う(それだけではないと思うが)。