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ミリオン タイムズ スクエア (Million-Times Square)

【まだ書きかえます。いつどこを書きかえたかを必ずしも明示しません。】

京都の百万遍(ひゃくまんべん)に行った。この名まえはもともと お寺の別名だが、わたしは、交差点、あるいはそこにあるバス停留所の名まえとして意識している。おそらく、路面電車の時代に、電車の停留所の名まえがお寺にちなんでつけられ、そのお寺の宗派以外の人たちの意識では、お寺よりも停留所をさす地名になったのだ。

わたしが京都に行くと、ここに行く頻度が高い。専門の近い人たちの本拠地に行くために、このバス停でおりるのだ。ただし今回は、専門がだいぶちがう人たちと議論をするためだった。

今回は日本語での議論だったが、日本語を話さない人と英語で議論することもある。そういうときは、日本語で思いあたったことについて、英語でどういうかを考える。ときどき、固有名の訳しすぎ([2019-03-20の記事]参照)をしてしまう。

「百万べん」は million times だ。そこで、「百万遍交差点」は Million-Times Square と言えると思った。

ここで、squareは、かろうじて交差点をさすことができるが、交差点をさす代表的表現ではない。なんでそのような表現に思いあたったかと反省してみると、英語圏の Times Square という地名との連想だ。調べてみると、それはニューヨークのマンハッタンの地名で、その由来は New York Times 新聞社が立地したからだそうだ。地図で Times Square の位置を確認すると、わたしはそこに行ったことはあったのだった。ただし、歩いて通過しただけだ。(112th Streetまで1時間かけて歩いたと記憶しているが、記憶があまりたしかでない。) New York Times の名まえはロンドンの Times にならったものだが、ロンドンの Times がどういう意味でつけられたのか、わたしはよく知らない。「時代」なのだろうか、「複数の時点」なのだろうか? すくなくとも、くりかえしの回数ではないだろう。だから、Million-Times Square の Times は、Times Square のばあいとは、ちがう意味になっている。

たまに行く人が思いつくぐらいだから、この名まえはもう、商店か集会所の名前として使われているだろうと思った。しかし、すくなくとも街路の看板や地図で見えるかぎりでは、ないようだ。Twitterで、かたかなの「ミリオンタイムズスクエア」を検索してみると、複数回つかわれていて、いちばん早いのは2008年だった。(わたしが思いついたのはそれより早いけれども、わたしはこれまでだれにも言わなかったはずだから、いずれもわたしのまねではない。) いずれもこの場所をさすと思われるのだが、話題が続いているわけではない。だじゃれのようなものとして思いつく人はいるけれど、通用しているわけではない、ということなのだと思う。