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2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

IAC (InterAcademy Council)によるIPCCのレビュー: 報告書が出た

[8月31日、とりあえず情報のみ。]IPCC (気候変動に関する政府間パネル) の仕事のしかたを見なおすInterAcademy Councilによるレビュー(このブログでは3月11日、5月5日の記事で紹介した)の報告が、8月30日に出た。そのウェブサイト http://reviewipcc.interac…

科学者は政策決定にどのようにかかわるべきか?

昨日(2010-08-17)書いた記事に至る途中の段階のメモである。昨日の記事では論点をなるべく一般的にした反面でわかりにくくなったかもしれないので、こちらも出しておく。 - IPCCは、政策決定に有用(policy-relevant)であって、政策決定をしばるものではない(…

科学者が社会に発言する立場をしわけてみる

科学者が、専門にも関係があるが政策決定にもかかわりのあるような話題について発言するとき、またその発言を聞くときには、どのような立場で発言しているのかを区別する必要がある。なん種類を区別するのがよいかはわからないが、ここでは仮に3とおりに分け…

人気変(?) -- 人為起源気候変化

英語圏のブログで、ある気候研究者が、global warming (地球温暖化)という表現はよくないと言っていた。その人はclimate change (気候変化)と言うべきだという。もっと正確にはanthropogenic climate change (人為起源の気候変化)だ。この主張には賛同したい…

アダム・スミス以後の経済学はジェームズ・ワット以後の経済学

地球温暖化を別としても、人間社会は化石燃料の消費を拡大しつづけることができないことは明らかだ。いわゆる「低炭素社会」(この表現はわたしが使いたいものではないが)あるいはecological footprintの小さい社会に移行しなければならないはずだ。しかし、…

高速道路料金の件はこう考えるべきだと思う

お盆前の帰省で高速道路が混雑していることがテレビのニュースで報道されていた。料金が値下げされた結果、渋滞がひどくなったところがあるという話があった。(おそらく場所によっては実際にそうであり、場所によってはそうでなかったのだと思うが、因果関係…

立秋をすぎると、どういう意味で秋になるのか

今年は8月7日が立秋だった。立秋を含む二十四節気は、天球上の太陽の方向(地動説によれば地球の公転軌道上の位置というべきだが)の角度で定義されたものだ。立秋は夏至と秋分のちょうど中間となる角度にあたる。夏至や秋分の特徴は、多くの人は昼と夜の(時間…

世界の地上気温データ整備の動き

http://www.surfacetemperatures.org は、イギリス気象庁(Met Office)からWMO (世界気象機関)への提案によって始められようとしている、世界の地上気温のデータセットを作る国際共同事業のウェブサイトである。まず「白書」(whitepapers)と呼ばれる文書が準…