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世界の地上気温データ整備の動き

http://www.surfacetemperatures.org は、イギリス気象庁(Met Office)からWMO (世界気象機関)への提案によって始められようとしている、世界の地上気温のデータセットを作る国際共同事業のウェブサイトである。

まず「白書」(whitepapers)と呼ばれる文書が準備されている。事業の特徴・方針を述べたもので、WMOで推進するかどうか意思決定するための材料となるらしい。2010年9月7日から9日に専門家を集めた会議を開きその結果をふまえて決めるということだが、その前の段階として、7月下旬に原案が作られ、http://www.surfacetemperatures.org/whitepapers のページに置かれた(一部8月10日までかかった)。また、ブログの形で、各章末の提言 (recommendation)の部分と本文PDFファイルへのリンクが置かれ、8月23日9月1日[延長]を期限としてコメントが求められている。読者への参考とわたし自身の勉強のために、情報を少しずつ日本語訳してみる。Wikiの形で、http://macroscope.world.coocan.jp/wiki/index.php?title=surfacetemperatures_org_info/ja に置く(ただしURLは気まぐれに変えるかもしれない)。[2016-03-26変更] http://macroscope.world.coocan.jp/ja/archive/mywiki2009/surfacetemp.html に置く。ブログにも書かれている白書原案各章末の提言の部分から始める。ただし、本体の議論に参加したいかたは、わたしの訳をあてにせず、英語原文を見て判断していただきたい。

[以下8月4日補足] データポリシーの件(第5章) http://macroscope.world.coocan.jp/wiki/index.php?title=surfacetemperatures_org_wpdraft_05/ja [2016-03-26変更] http://macroscope.world.coocan.jp/ja/archive/mywiki2009/surfacetemp05.htmlでは、 各国政府機関が観測データをすべて公開しているわけではないという現実をふまえて、一方では公開するように働きかけるとともに、他方では(第三者による追跡可能性は弱くなるがデータの詳しさを優先して)観測値自体は公開せず格子化した結果を公開することもありうるとし、この条件ですべての国の気象現業機関の参加を呼びかけようとしている。また紙資料のディジタル化を成果が公開されることを条件に推進するとしている。

[8月26日補足] カナダの計算機科学者で、ソフトウェア工学の立場から気候モデルをよりよいものにする方法を考えているSteve Easterbrook氏が、ブログ記事Data Challenges in Creating a new Surface Temperature Recordで、白書の原案の多くの部分を紹介してコメントしている。