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ミュージカルのアリア (??) "I want a wife"

【これはまったく個人的なおぼえがきです。専門的知識の提供でもなく、市民のひとりとして意見をのべる記事でもありません。】

このブログの「音楽」のカテゴリーの記事では (その全部ではないが)、むかし わたしの頭に思いうかんだ曲 (わたしが作曲したと言ってよいかは自信がないが) を書きとめている。

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わたしが子どものころ、くちずさむと元気が出る気がする曲が、いくつかあった。

そのうちひとつの部類は「行進曲」とまとめられる。大部分が、自分が学校の運動場にいるとき、先生かだれかが放送室でレコードをかけていたのをきいたものだから、曲名をおぼえていないものがおおい。自宅にもレコードがあってたしかめられたもののうちには、アメリカのスーザの曲もあったし、日本人による曲もあった。「軍艦行進曲」のような歌詞のついた曲も、器楽曲として意識していた。学校で かけあし のときにつかわれた「天国と地獄」のギャロップ (オッフェンバック) や「クシコス ポスト」 (ネッケ) も、子どものころのわたしはこの部類にふくめていた。

もうひとつの部類は、独唱でも斉唱でも合唱でもうたえる歌だった。ちかごろふりかえってみて、この部類には、ミュージカルの主題歌がおおいことに気づいた。ミュージカルには劇場で上映されるものと映画があるが、ここでは両方ふくんでいる。しかしわたしはミュージカルの劇場に行ったことはないし、映画をみたこともあまりない。子どものころ、親につれられてだったか学校の団体だったかわすれたが、「メアリー ポピンズ」と「サウンド オブ ミュージック」の映画がそれぞれ市民会館で上映されたのを見に行った記憶がある (しかし、たしかでない。別の映画と記憶がいれかわっている可能性がある)。映画上映のときわたしは ねむくなってしまい、話のすじを追っていない。ただ、すでにテレビ番組で知っていた「チム チム チェリー」と「ドレミの歌」が出てくることは確認したとおもう。これにかぎらず、わたしはミュージカルを知っていたのではなく、その歌をテレビの歌番組で知っていたのだった。

ミュージカルにはいろいろな形で歌がつかわれるが、ここでいう歌は、オペラのアリアと同様に、劇のすじの重要なところで、劇であつかわれる世界での時間の進行をとめて、劇中人物の気持ちをこめて歌われるものだ。だから仮に「アリア」としておきたい。ただし、オペラのアリアが、歌手の技巧をしめすものでもあり、しろうとにはまねのできないものであるのとちがって、有名になったミュージカルの (仮称) アリアは、おおくの人がいっしょに歌えるものであることが多い。最初に出てきた場面では独唱であっても、大団円では全員の斉唱や合唱としてまたあらわわれることもある。

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あるとき (あとの件とあわせて考えると、わたしが大学生のころだったと思う)、ここでいう「ミュージカルのアリア」のような曲を思いついた。

Lilypond のソースファイルをここにリンクしておく。[iwantawife.ly]

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最初の部分だけ、歌詞がついている。英語で "I want a wife." が 2回くりかえされる。ただし、それを歌う人は、女性であることが想定されている。

そのようなことばを思いついたきっかけは、つぎにようにおぼえている。
わたしが大学生のころ、同年輩の女子学生が、その友だちにむかって、「わたし、お嫁さんがほしいな」と言った。(ただし、これをわたしが直接聞いたのではなく、伝聞だったと思う。)
その人について、わたしはくわしいことを知らないけれど、たぶん、同性愛指向ではなく、キャリアウーマン指向だった。だから、「お嫁さん」は「主婦」という意味だったと思う。わがままを承知で、家事と、自分をふくむ家族への気づかいをひきうけてくれる人がほしい、と言っていたのだろうと思う。
(「おむこさん」でなかったのは、男の人が「主夫」になってくれることが期待できないと思われたからだろう。)

それを歌詞にするとすれば、つづくことばは、wife になってくれる人にはどんなことをしてほしいのか、そうなれば自分にはどんなことができそうか、といったことになると思う。しかしわたしはそれを具体的に考えることができなかった。

また、これがミュージカルのアリアだとすれば、中盤で独唱されたうえで、大団円で、女主人公がいろいろなグループのあいだをまわりながらそれぞれの人たちといっしょに歌う、というつかわれかたがよいと思う。しかし、そこで唱和する男の人が「I want a wife.」と歌ってしまうと、すなおな意味になって、女主人公への共感にならないだろう。しかし「She wants a wife.」と歌うのもへんだ。まったく別の歌詞を考える必要がありそうだ。