macroscope

( はてなダイアリーから移動しました)

西域の情景

【これはまったく個人的なおぼえがきです。専門的知識の提供でもなく、市民のひとりとして意見をのべる記事でもありません。】

このブログの「音楽」のカテゴリーの記事では (その全部ではないが)、むかし わたしの頭に思いうかんだ曲 (わたしが作曲したと言ってよいかは自信がないが) を書きとめている。

- まえおき -
わたしは、小学校高学年のとき、課外活動の音楽部にいた。小さい学校だったので、最初の年は合唱部だったのだが、音楽の先生が交代して器楽部になった。器楽部で最初にわたされて練習することになった曲の題名が「砂漠の隊商」だった、と記憶している。(もしかすると課外活動ではなくて、音楽の授業で練習した曲だったかもしれない。) それは練習しただけで、別の曲にうつり、市の音楽会で発表したのは (もっと有名な) 別の曲だった。

「砂漠の隊商」の楽譜には作曲者は書いてなかったと記憶している。曲は、当時の音楽の授業でかならずきくことになっていたケテルビーの「ペルシャの市場にて」とちょっとにているが、もうすこしのんびりした感じのものだった。ケテルビーと同様な近代のクラシック音楽を知っているヨーロッパ人が、西アジアの情景を想像しながらつくった曲だろうと思った。しかし、いまになって考えてみると、作曲者は日本人である可能性もあるとおもう。学校教員か、専業の作曲家かはわからないが、まさに学校で子どもに合奏させるために、この曲をつくったのかもしれない。「『ペルシャの市場にて』とにた感じでもうすこしのんびりした曲」という注文に応じたものだったのかもしれない。

記憶から再現して楽譜にしてみた。作曲者がケテルビーのようにむかしの人ならば著作権はきれているが、現代の人ならばまだ著作権があるにちがいないので、かってにここに楽譜をだしてはまずいだろう。しかし、情報をださなければ作曲者にたどりつくこともできない。ひとまず、わたしが楽譜をかくためにつかった Lilypond のソースファイルをここにリンクしておく。[sabaku.ly]

- 本題 -
それからだいぶたって (中学生のころ)、中国古典でいう「西域」つまり中央アジア・西アジアの情景をおもいうかべたときに、あるメロディーがでてきた。

それまでに、実物ではなくてテレビでだったと思うが、「チャルメラの音」をきいたおぼえがある。子どものころから、チャルメラという楽器がラーメンにつきものだときいていたのだが、実際に音をきいたことはなかったのだ。なんとなくラッパのなかまだと思っていたが、音をだすしくみからはオーボエのたぐいのリード楽器なのだと知った。

この曲には「砂漠の隊商」と「チャルメラの音」の記憶がまざっている。また、中間部は、同じふしが二度めは弱く演奏されることをふくめて、文部省唱歌「とんび」の影響をうけている。(「とんび」は、小学校の音楽の授業のときに斉唱した歌であり、その教室は「砂漠の隊商」を練習したところでもあったから、わたしの意識のなかでまざったのは偶然ではない。)


Lilypond のソースファイルをここにリンクしておく。[westasian.ly]