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市区町村別 COVID 陽性患者数情報 終了

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】

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わたしは、新型コロナウイルス感染症 (COVID) 陽性者数を、関東地方について、市区町村別に、人口あたりにして見てきた。その情報は、つぎのウェブページからのリンクさきにまとめてある。

2022年9月になって、国が、COVID に関する情報収集を縮小する方針をだした。それにともなって、都道府県がウェブサイトに公開する情報の項目がへらされた。市区町村別の陽性者数の情報は、茨城県が 9月2日までで終了したのにつづき、そのほかの関東 6都県で、9月26日までで終了した。

わたしは毎週金曜日までの陽性者数を作図してきたが、2022年9月23日までの人数で最後とする。ブログ記事は

患者の居住地は、かならずしも感染がおこった場所ではない。ただ、多数の事例について統計をとれば、人口あたりの陽性者数が多いところと感染がおきやすいところとには、いくらかの相関があると思われる。しかし、感染症の指標のうちでこれの優先順位が高いとはいいがたい。この2年半ほど、医療機関や公衆衛生機関の労力が、多数の健康リスクのうちで COVID にむけられすぎていたかもしれない。わたしのたちばからは残念だが、居住地が調査項目からはずされたのはもっともだと思う。

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わたしは 2020年4月から、まず東京都について作図をはじめ、それから他の県にひろげた。このころは COVID19 がはじまってからの累積陽性者数をみていた。人口あたりの陽性者数が、人口密度が高いところのほうが高い傾向がみられた。それはおよそ、人口密度の平方根に比例するようだった。それは「人と人との平均距離に反比例する」という説明ができそうだ。しかしむしろ、人口密度に比例する要因と、一様な要因とがかさなりあった結果かもしれない。

2021年の途中から、最近1週間の新規陽性者数をおもにみることにした。これも、人口あたりの陽性者数が人口密度が高いところのほうが多い傾向がみられ、当初はおよそ人口密度の平方根に比例するようだった。しかし、人口密度依存性は変動した。新しいところでは、2022年6~7月の陽性者数がふえていた時期には、人口あたりの陽性者数が人口密度による (およそ人口密度の3乗根に比例する) 傾向があったのだが、8~9月の陽性者数がゆっくりへった時期には、人口密度によらなくなってしまった。解釈としては (しろうと考えにすぎないが)、あたらしい変種の病原体が出現したときは大都市の中心部からひろがっていくが、それが全域にいきわたってしまうと住民ひとりあたりの感染可能性はどこでも同じになるのかもしれない。

今後また人口密度依存性があらわれることがあるか、気にかかる。いまも都道府県別の新規陽性者数は発表されているから、それを人口あたりにしてみればけんとうがつくだろうと思う。しかし、都道府県単位のデータ解析はいろいろな人がやっていると思うので、わたしは手をださないことにする。

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作図につかってきたソフトウェア「MANDARA」の作者である 谷 謙二 さんが 8月になくなったそうだ。MANDARA をつくってくださったことに感謝する。谷さんのウェブサイト (「今昔マップ」をふくむ) の今後については、地理学会有志が遺族と相談しているそうだ。MANDARA は、さしあたりつかいつづけることはできるが、今後は改訂されなくなるだろう。わたしは徐々に Python による作図に移行しようと思っている。