macroscope

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息をすえるマスクが必要だ

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしもしめしません。】

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新型コロナウイルス感染症対策のために、マスクをすることが奨励されている。そのおもな目的は、自分がもし感染していたばあい(症状がでていないばあいもある)に、せき や つば による飛沫でウイルスをひろめてしまう可能性をへらすことだ。

わたしは、このところ、家の外にでて人にあうときはマスクをするようにしている。ただし、人とであうことがすくない道を歩くだけのときはマスクをはずしている。ことしの日本ではふつうの不織布のマスクをつかうことがおおい。

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わたしは大学の授業をしている。2020年度前期の授業は、全部遠隔になって、インターネットごしに講義をするときも実際には自分は自宅のへやにいたので、マスクをする必要はなかった。

後期の授業の一部は対面授業になるみこみなので、そのときはマスクをして講義をしなければならないかもしれない。(同じ教室にいても 学生との距離がじゅうぶん とおければ不要かもしれないが、2 m でじゅうぶんではないだろう。大きな講義室ならば、いちばんまえの学生とのあいだでも 4 m ぐらい はなれているからよいかもしれないが、ときどきはちかづいてしまうだろう。)

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しかし、わたしはふつうのマスクをしたままでは講義をできそうもない。

そのことに気づいたのは、法事でお寺に行ってお経をよんだときだった。和尚[おしょう]さんは、「ほとけさまにむかう」ときはマスクをはずしていたが、人にむかうときはマスクをしていた。参列者も和尚さんにあわせてお経をよむことがもとめられた。こちらは和尚さん(の背中ではあるが)のほうにむかっているから、マスクをしたまま声を出すことにした。

すこし声を出したところで、息がくるしくなった。お経をよみつづけるためには、息つぎをしなければならない。(息つぎをお経のどこでするかはきめられておらず、そこで声がとぎれてもよいことになっている。) 声を出すときは息をはきつづけているから、息つぎをするとは、息をすうことだ。ところが、息をすうと、マスクが鼻と口にはりついてしまう。しかも、はいた息にふくまれた水蒸気が凝結して しめったマスクだから、空気をあまりとおさない。息をじゅうぶんすえなければ、声をだしつづけることができない。

片手にはお経の本を持っていたのだけれど、もうひとつの手で、息つぎのたびにマスクをつまんで鼻と口からひきはなしながら、お経をよむことになった。

講義をするときも、同じことになるにちがいない。マスクをつまむのに手をつかっていたのでは、しごとにならない。

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マスクの布 (正確には不織布)は、息をはいているときは、鼻と口からじゅうぶん はなれている。息をすうときも同じくらいはなれていてくれれば、声をだしつづけることができる。そこで、雨傘のように かたい骨をもつマスクがあればよいと思った。骨をくりかえしつかって、不織布を毎回はめなおすようにすればよいと思う。そういうものは手にはいるだろうか?

【[2020-09-23 追記] その「骨」にあたるものを、2020年9月15日に、町の(マスクをあつかっている)雑貨屋で買うことができた。白い半透明のプラスチック製で、2個で約900円 (消費税こみ)だった。原価はもっと安いと思うが、この金額をはらうねうちはあると思った。ついていた紙によれば、品名は「マスクフレーム」、材質はポリエチレン、生産国は中国だ。左右にフック状のところがあって、マスクがじゃばら形になっているばあいはそれをとめることができる。しばらくつかってみたところでは、マスクが湿って息をすっても鼻や口にくっつかない。ただし、1時間あまりの講義にたえるかどうかは、まだためしていない。】

もうひとつ考えられるのは、マスクでなく、透明で変形しないフェイスシールドをつかうことだ。ただ、かたい障害物があるとそのむこうがわにつたわる声もよわまるだろう。わたしはふつう聴講者100人ぐらいまでの講義室ではマイクロホンをつかっていないのだが、フェイスシールドをつかうばあいにはマイクロホンが必要になるかもしれない (ためしてみないとわからない)。【[2021-01-13 補足] 飛沫が出ないようにする効果が、フェイスシールドはマスクにくらべてだいぶ弱いと聞いたので、マスクなしで対面の授業をすることは考えないことにする。】