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としをとった学者に、引退してもらうか、働いてもらうか

【この記事はもともと Twitter に書いたので、字数を切り詰めた表現になっています。】
【まだ書きかえるかもしれません。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

【[2016-03-29補足] わたしは、もうすぐここでいう「年寄り」になる。そして今後の人事を決める立場ではない。この覚え書きは、今後の人事を決める立場の人への助言のような態度で書いている。】

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年寄りの学者には、引退してもらいたい場合と、残ってほしい、さらには広い範囲に影響を与える仕事をしてもらいたい場合がある。だれがどう判別するか。これまでに業績をあげた人や、いま仕事を続ける意欲が強い人に、残ってもらうのが適切とは限らないのだ。

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標準的な定年よりもあとに研究リーダーを続けるのは、部下になる人(必ずしもこれまでの部下とは限らない)から続けてほしいと要望される人に限るのが一案だろう。ただし、ボスが部下に圧力をかけて言わせたのではないことをどう判別するか?

- 2X [2016-03-29追加] -
リーダーには向かないが、専門的労働者、あるいは知識提供者としては役にたつ人もいるだろう。現役世代のリーダーと年長の任期つき雇用の部下という組み合わせで、お互いに大きな不満なく続けられるような関係をつくることが大事だと思う。

ただし、年寄りの専門的技能が将来とも必要なものならば、次の世代の技能者を育てなければならない。現役世代に欠けている技能ならば、年寄りから若者にいっしょに働きながら伝えてもらうのがよい。現役中堅世代がすでに引き継いでいるのならば、年寄りは引退してよいだろう。

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学術政策などに関与する人を選ぶには、1年くらいの契約で総説書きや討論への参加を本業にしてもらい、そこで我田引水でなく学術全体や社会全体を見る見識があるか評価するべきだろう。ただし評価するほうが現政権や官僚機構の意向によって偏ることをどう防ぐか?

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広い見識を示していた人が、短い期間の間に、自説過信におちいってしまうこともある。話題の内容がわかる人にしかわからない。起こりがちなことだと知っていれば、影響力のある立場から引退してもらう判断もできるだろうし、ときには過信を予防できるかもしれない。