宮沢賢治の「グスコーブドリの伝記」を原作とする映画が公開されたそうだ。
原作には、地球温暖化に関する理解の歴史にも関連するし意図的気候改変の問題にも関連する興味があって、少し調べたので、数年前にウェブページに英語で書いて http://macroscope.world.coocan.jp/en/sayings/volcano.html あとで自分で日本語版も作った http://macroscope.world.coocan.jp/ja/sayings/volcano_ja.html 。ひとまずきょうはくりかえさない。
科学者の生き方という観点では、太陽電池研究者の市村正也さんの「架空講義録」http://araiweb.elcom.nitech.ac.jp/~ichimura/book/book.html http://ichimura.web.nitech.ac.jp/book/book.html [2016-11-25 リンク先変更] にも考えさせられた。
科学技術社会論の授業をする機会はまだまわってこないが、その中で気候改変の話をするとしたら、この物語の話題を使いたいと思っている。映画を使うのもおもしろいだろうと思ったのだが. . . .
きょう公開された映画をわたしはまだ見ていないが、見た人のTwitterでの発言を参考にすると、どうもわたしの役にたつものではないようだ。
Wikipedia日本語版「グスコーブドリの伝記」を参照すると、今回公開されたのは杉井ギサブロー監督のアニメだ。1994年中村隆太郎監督のアニメがあるそうだ。そちらを見てみたいが、映写機とそれを操作できる人を確保してフィルムを借りてくるだけの元気は出ない。DVDかオンライン配給のディジタルビデオにしてくれるとありがたいのだが . . . .
[2012-07-09補足] 火山学者の小山真人(usa_hakase)さんによる、本人の発言を中心としたTwitterまとめ「(ネタバレ注意)火山学者の琴線に触れない「グスコーブドリの伝記」リメイク版2012」http://togetter.com/li/334408 がある。杉井監督版は原作の筋をだいぶこわしてしまっているので小山さんは不満だが、火山局とサンムトリ火山の描写はよいそうだ。
[2012-07-12補足] 科学解説者の寺門和夫さんのブログに、原作についての科学に関する話題が連載されている(2012年6月28日--7月2日。映画とは関係ない)。
- 東北地方を襲った飢饉 http://blog.scienceweb.jp/?eid=145692
- 飛行船の夢 http://blog.scienceweb.jp/?eid=145870
- イーハトーブ火山局 http://blog.scienceweb.jp/?eid=145912
- 潮汐発電所 http://blog.scienceweb.jp/?eid=145989
- オリザの系譜 http://blog.scienceweb.jp/?eid=146057
[2012-07-15補足] 寺門さんが映画(杉井監督作品)を見てがっかりしたそうだ。
- アニメ映画『グスコーブドリの伝記』:期待外れの理由 http://blog.scienceweb.jp/?eid=146602
[2018-08-14補足] 寺門和夫さんのブログはいまもあるが、わたしが参照した記事はなくなってしまった。しかし web.archive.org にはコピーが保存されている。