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飯田哲也さんには国会議員になってほしい

(あらためて、わたしがこのブログに書くことは個人的見解であり、勤め先そのほかの所属組織の見解でないことをおことわりしておく。)

【[2012-11-29補足] 表題の意味は「わたしは飯田氏を支持する」のとは少し違う。】

去年からときどきその著作を読んで、飯田哲也(てつなり)さんのもの言いは、学者というよりも政治家のものだと感じてきた。ただし、再生可能エネルギー推進というsingle issueの政治家である。

だから、飯田さんが選挙に立候補すると聞いても驚かなかったが、それが県知事、しかも、出身地だからとはいえ、再生可能エネルギーを他の都道府県に供給するほどの潜在能力がありそうもない県の知事だというのは残念に思った。

飯田さんにはむしろ国会議員に立候補してほしい。県知事はsingle issueではつとまらない。国政でも政権与党全体がsingle issueでは困るが(実際、自民党が郵便局たたき売りが目的であったかのような小泉純一郎氏にひっぱりまわされたのには困った)、小政党ならばsingle issueを主張するところがあってよい。右であれ左であれ、再生可能エネルギー推進、脱原子力、脱化石燃料の政策をとる政党と連立する、という態度をとればよいと思う。

ただし、大阪府・市のエネルギー戦略会議での「原子力発電所を止めてもこの夏の電気はたりる」という飯田さんの主張は強すぎた。火力発電・揚水発電が故障なく動くことや天候が極端に暑くならないことなどが暗黙の前提になっていて、ちょっとしたきっかけでそれがくずれて需要が供給を上まわる可能性がある。とくに、原子力発電所津波にあうことを想定に入れなかったことを批判するならば、火力発電所などが災害にあうことも想定しないといけない。飯田さんが立候補したところにわたしが投票できる立場になったとして、わたしが票を入れるかどうかは、この件についての反省が見られるかどうかによる。ただし学者でなく政治家になるならば、おもて向き過去の失敗を認めない態度をとることはがまんしよう。今後に向けて、政策の柱のうちにピーク需要抑制策を含めてくださればよい。