【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】
【この記事は個人的おぼえがきです。専門的知識を提供するものでも、社会に向けて意見をのべるものでもありません。】
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小学校の高学年のころ、国語の学習参考書で、「山のあなた」という詩を見た。わたしは、詩のもんくはおぼえたが、作者はおぼえず、ドイツ語からの訳だということだけをおぼえた。それとともに、この詩にはメロディーがついているような気がした。そのメロディーが自分のなかで一定の形になったのは、中学生のころだったと思う。わたしは、(別の曲のばあいとちがって、これは)「作曲した」と意識してはいない。しかし、わたしのあたまにうかんだメロディーではあるし、Lilypondの練習にちょうどよかったので、まずこれをブログにだしてみることにした。
詩の由来について、いまになって確認してみる。(Wikipedia日本語版「カール・ブッセ」、ドイツ語版「Carl_Hermann_Busse」、そのほか、検索で出あったウェブページを参照した。) もとは、ドイツのカール・ブッセ (Carl Hermann Busse, 1872-1918)がつくった「Über den Bergen」という詩で、1892年に 『Gedichte』という本で発表された。それを上田 敏 が日本語訳して「山のあなた」とし、1905年(明治38年)に出した訳詩集『海潮音』に収録したのだ。
Busse の著作権も上田敏の翻訳の著作権もあきらかに期限が切れているから、わたしが曲に歌詞をつけて公開することは (だれかの許可を得なくても) さしつかえないはずだが、ひとまずここでは、歌詞をつけずに楽譜だけをしめすことにする。
[2020-03-14 変更] Lilypond の入力としたファイル [yama_no_anata.ly] 【URLは暫定です。】
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わたしは、小学生のころは、ドイツ語についての知識は「ダンケ」のひとことだけだった。中学生のころは、テレビやラジオのドイツ語講座を、勉強するという意志もなくきくことがあって、断片的な知識はいくらかあったけれど、Über den Bergenの詩を読もうと思ったことはなかった。
わたしは、上田敏による日本語の詩のリズムと(東京型アクセントによる)音程の上がり下がりを無意識にメロディーにおきかえて、それから、ととのえたのだった。
ととのえる際には、わたしが中学生のころまでに「ドイツ」とむすびつけて認識していた音楽との連想がはたらいたと思う。こどもむけの唱歌や合唱曲のうちで「ドイツ民謡」として紹介されていたものや、ラジオやテレビのドイツ語講座で使われていた音楽などだ。実際にドイツ的な特徴をとらえていたかどうかはわからない。
わたしの曲を、日本語のうたとしてみたとき、ひとつ不満がのこっている。「ああ われ」というところが、「あわれ (哀) 」と聞きとられるおそれがあるのだ。(うたでは、「あわれ」の「あ」をのばすことがじゅうぶんありうるし、わたしのふしは、東京型アクセントの「あわれ」と あっているから。) その対策として、ふしを変えることも考えてみた。「ああ」を、高い音から低い音に落ちるようにし、つぎの「わ」は、「ああ」の後半よりは高い音にする、というふうに変えてみると、それはそれで音楽にはなる。しかし、ここに出したふしよりも歌いにくいものになってしまう。それで、この部分は、最初に思いついたままの形にしてある。