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労働生産性を低下させるソフトウェア更新

職場のオフィス用パソコンのソフトウェアのうちいくつかが新しいものになった。少しずつためしてみている。機能についてはいくつか不満があるもののこれまで使っていたものの不便さが解消される面もあるので、もし応答が遅くなかったら喜んで使うだろう。しかし、文書作成(ワープロ)機能で、日本語の文字を入力して画面が更新されるまでに1分くらい待たされることが数時間のあいだに何十回とあった。漢字変換をやりなおしたりすると1件の短い文字列の入力で何分もかかる。

原因は、オフィス用パソコンのハードウェアの更新はまだ半年ほど先の予定なのに、ソフトウェアの一部分の更新を前倒しにしたことにちがいない。職場のパソコンは5年以上前(たぶん7-8年前)の機種だ。たまたま新しいパソコンで動かしてみると、不満のない速さで動く。したがって応答が遅いのはサーバーではなく端末のパソコンが古いせいだ。

いま作られているソフトウェアは、いま作られているパソコンのハードウェアで、利用者に不満を感じさせない速さで動くように作られているらしい。古い機種でも動くことにはなっているが、その動作の速さは保証されないようだ。おそらく、古い機種のメモリー容量が新しいソフトウェアにとっては小さく、ディスクを読み書きする「スワップ」が起きているのだろう。もしかするとメモリーさえ追加すればよいのかもしれないが、わが社は更新半年前のパソコンのために部品を買うという判断はしないだろう。半年間がまんするしかないのだろうか。人件費のもったいない使いかただと思うのだが。

高度経済成長時代(の完成期)ならば、ソフトウェアを重くすることによって利用者に新しい機種を買おうという気を起こさせることで、ソフトウェアメーカーもハードウェアメーカーも売り上げをのばすことができて国民経済にとっていいことだ、という価値観が正しいとされたかもしれない。しかし、今はエネルギー資源もレアメタル資源も貴重な時代だし、税金でまかなわれている職場に限らず大部分の職場ではお金の節約もせまられている。新機種のほうが明らかに電気代が節約にならない限り、旧機種をなるべく長持ちさせたいはずだ。動画の再生や作成などの明らかにハードウェア能力を必要とする機能については新機種用に限定してもかまわないが、昔からある文書作成や2次元静止画グラフィックスなどの機能に関しては7-8年前の機種でも待たされずに動くのをオフィスソフトウェアの標準版にしてほしい。