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本屋さんに行く時間

5月4日の「本屋さんの棚」の記事の続きで書こうと思ったが保留していたことを、その後の観察で修正して書く。

わたしにとって重要な本屋さんは理科系の本が置いてあるところだ。軽い読み物だけではなく、専門書というほどではないが、大学の理科系各分野の教科書になるような本をさがすことが多い。ついでに理科系以外の本も見るのだが、フィクションはめったに見ない。

行きつけの本屋のひとつは駅ビルの中にあったのだが、駅ビルの建てかえのために引っ越した。引っ越し先は駅前と言ってよいところにある商業ビルの中だが、駅からは地上に出て信号のある道を渡らなければならない。そして、前は夜10時すぎまで開いていたのだが、8時閉店になってしまった。商業ビル全体の管理のつごうらしい。夜8時台・9時台に立ち寄る習慣だったわたしにとっては、この店はなくなってしまったのだ。

休日の昼間に時間を見つけて引っ越し後の店に行ってみた。にぎわっていたが、親子づれが多く、わたしの知っていた前の店のお客の顔ぶれとは違った感じだった。もっともわたしは前の店での休日の昼間のようすを知らないので評価はできない。

そして、がっかりしたのは、店全体の本の数は減っていなかったにもかかわらず、理科系の本が少なくなっていた(ように見えた)ことだ。これは、引っ越しと営業時間の変更のもとでは、しかたがないことかもしれないと思った。理科系の教員や学生は実験室などにいなければならない時間が長く、昼間に本屋などに行く時間をとりにくい。技術系の勤め人にも、勤めを終えて夜8時までに本屋にたどりつくことがむずかしい人が多いのではないだろうか。それに加えて、乗りかえ駅の駅ビルの中にある本屋に立ち寄る習慣ができた人も、駅の外に出て歩かなければならないとなるとおっくうになるだろう。

しかし、数か月後に行ってみると、理科系の本の棚は充実していた。夜遅くでないと立ち寄れない人を除いても、理科系の本を買うお客はかなりいるようだ。