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IPCCに関する日本学術会議主催のシンポジウム

4月30日(金)に、日本学術会議(http://www.scj.go.jp )が主催し、日本学術会議講堂(東京、もより駅は千代田線の乃木坂)で、「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」というシンポジウムが開かれる。趣旨説明とプログラムは学術会議のウェブサイトにPDFファイルで置かれている。

開催趣旨は次のようになっている。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)をめぐる問題(所謂、Climate-gate, IPCC-gates)について、科学的観点から事実関係を明らかにし、その情報と認識を共有すること、そして、今後このような問題が生じないためのIPCCの科学的作業の在り方、社会と政策への情報提供の倫理性、科学者の行動規範などについて討議する。

講演者・パネルの構成は、IPCC報告書の編著者となった科学者、それと同じ分野の学術会議会員、いわゆる温暖化懐疑論者の科学者、科学論者、科学コミュニケーション専門家などだ。

3月11日の記事で紹介したように、InterAcademy CouncilによるIPCCのレビューがあるので、学術会議はそれへの対応を考える必要があるはずだが、今回のシンポジウムの話題はIACのレビューの主題からははずれてしまっているようだ。今回のシンポジウムは学術会議のうちの第3部(理工学)の主催となっている。IACの主題はどちらかというと手続きの改善なので、組織論、政治過程論、国際関係論、多文化間コミュニケーションなどの第1部(人文社会科学)の学者も深くかかわるべきだと思う。

また、15日に見た開催趣旨の文は、かっこ内とはいえ、「いわゆる」のようなことわり書きなしに「Climate-gate」や「IPCC-gates」という表現が使われていたので、公正であるべき学術会議の立場で出す文書としては不適切だと思った。16日にふたたび見たところ、「所謂」という語が追加されていたので、このブログでの引用も修正した。