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関東地方の市区町村別のCOVID陽性患者数 (不定期 28) 7都県の 2022-07-15 まで1週間の新規陽性者数

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関東地方の各都県が発表した新型コロナウイルスの陽性者数のうち、最近1週間の新規陽性者数を、市区町村別 (ただし区は東京都の特別区だけ、群馬県は保健所管轄区域ごと) に、人口あたりにして、地図上に表示してみている。これまでにつくった図を、つぎのウェブページに、一覧表の形でまとめた。その図を発表したブログ記事があるばあいは、そこへのリンクをいれている。

2022年2月4日から、対象を関東7都県全体にした。ただし、埼玉、東京、神奈川は、累積人数の1週まえとの差にもとづいているので、過去の累積人数の修正があると誤差としてきいてくる。(記事表題を「不定期」として、新規陽性者数がすくなくなったら休もうと思ったのだが、なかなかへらないので、定期的に毎週出すことになってしまった。)

階級わけ・色わけは、まえの時期に決めたまま、なるべく変えず、数値の範囲がひろがってしまったときだけあたらしい階級を追加してきたので、いまの数値を見るためには不適切なところがある。しかし残念ながら過去にさかのぼって図をつくりなおす時間がとれそうもないので、このようにしている。

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2022年7月15日 (金) までの1週間の値にもとづく分布地図を、一覧表の 2022-07-15 の行にいれた。

ただし、千葉県は、県が市町村別の人口あたりの1週間の新規陽性者数の表を発表するのが平日だけなので、暫定的に 7月14日 (木) までの1週間の人数をつかった。このところいつも木曜日までの数値をつかっているので、前の週からの間隔は 1週間である。

計算の方法は、[不定期 5 (2022-02-05)]の記事に書いたとおりである。

  • 左端: 人口あたりの1週間の新規陽性者数 (人/十万人)
  • 右から2番め: 人口あたりの1週間の新規陽性者数 (人/十万人) を、人口密度 (人/km2) の平方根 で わったもの
  • 右端: 人口あたりの1週間の新規陽性者数 (人/十万人) を、人口密度 (人/km2) の3乗根 で わったもの

である。

新規陽性者数は、1週間まえ (2022-07-08) から 約 2倍にふえた。とくに、東京都の 文京区 (852)、墨田区、渋谷区、千代田区と埼玉県の横瀬町で 800人/十万人 をこえた。横瀬町は分母となる人口が約8千人なのでたまたま人口あたりの値が大きくなったと考えられるが、東京都心付近には地域的まとまりがある。23区全部とそれにとなりあう全部の市をふくむ多摩地区の複数の市、神奈川県 川崎市、埼玉県 さいたま市 をふくむ複数の市町村で、400人/十万人をこえている。

人口あたりの新規陽性者数を人口密度の3乗根でわったものは、大部分が この図の 10~30の階級 にはいっているが、30をこえているところもある。関東地方全体で、1週間まえからだいたい同じ倍率でふえているようだ。

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2022-05-06 (不定期 18) の回から、横軸に人口密度、縦軸に人口あたりの新規陽性者数をとって散布図をつくってみている。

(2022年5月ごろの状況では人口密度との関係はよわまっているように見えたのだが) 2022-07-15 の散布図をみると、およそ人口密度の3乗根に比例する左下がりの点群と、その上に個別にとびだしたいくつかの点 (東京都 千代田区 813 人/十万人、埼玉県 横瀬町 802、 千葉県 大網白里町 648、神奈川県 葉山町 599 など) があるようにみえる。このうち千代田区は、住民登録の人口による人口密度のかわりに実質的な人の密度をつかえば、都心部の他の区と同じ点群にくるだろう。ほかは地理的まとまりはなく、偶然的に週によってちがった自治体があらわれるようだ。

- 4 [2022-07-17 追加] -
[関東地方 市町村別 人口10万人あたりの新規陽性者数] の一覧表のくみたてを改訂して、毎週の列に、散布図もふくめることにした。そして、2022-02-04 にさかのぼって、毎週の散布図を作成した。【散布図の縦軸の範囲が、1 ~ 1000 人/十万人 であったり、10 ~ 10000 であったり、不ぞろいだが、いまのところ統一していないので、図を見る際には注意していただきたい。】

散布図を見くらべてみると、新規感染者がおおかった時期のうちでも、2022年4月には人口密度との関係がよわかったが、2022年7月には (これまでのところ) 人口密度との明確な関係がみられる。流行の要因にちがいがあったのだろうと思う。ただし、それが病原体の変異によるものなのか、季節あるいはその他の理由による人間行動のちがいによるものかはわからない。