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1960年代にもどることはできないが、1960年代を参考にすることは必要

昔を参考にする、というとき考えるのは、江戸時代ばかりではない。もっと新しい昔もある。今50歳代のわたしの世代の人々は、1960年代を子どもとして体験してきた。

社会をその時代にもどすべきだと言うわけではない。

1960年代の社会は、経済成長が進行中であること、田畑が宅地に変わるような変化が進行中であることを前提として成り立っていた。明らかに持続可能ではない。

1960年代の社会には「公害」があった。わたしが暮らしていたのは「公害」が問題になっていない地域だったが、川のうちには、工場排水が流されて悪臭を放っているものもあった。

1960年代に専門的知識を得る方法は、ほぼ人に直接会うか紙の印刷物によることに限られた。そして、大学に入学できる人の割合は少なかった。大学に行ける人とそうでない多くの人との知識の格差は大きかったと思う。

しかし、ともかく、今とそれほど多く違わない人数の人々が、今より少ない天然資源の消費で、生活していたのだ。

当時と今でやりかたが変わってしまったものごとそれぞれについて、当時のやりかたのほうがよかった可能性を考えてみるのがよさそうだ。選別したうえで、これからの持続可能な社会のための道具箱に加えていくのだ。