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揚琴

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】
【これは個人的な覚え書きで、知識を提供する記事でも、意見を主張する記事でもありません。】

揚琴 (ようきん、ヤンチン) という楽器の演奏をきいた。演奏者は中国で育っていまは日本に住んでいるかただった。

弦を、両手に持った一本ずつの棒でたたくことによって音をだす。ピアノも中では「ハンマー」で弦をたたいているので、音がでるしくみは同様だ。しかも、むかしは弦を羊の腸か絹糸でつくっていたそうだが、いまではピアノと同様な金属の弦をつかうので、音もピアノとにている。ピアノでまねできない特徴は、木琴のようなトレモロができることだ。他方、(2本以上の弦をいっしょにたたく技法があるかもしれないが、原則としては) 同時に出せる音は 1つか 2つであり、ピアノでやるように複数の旋律あるいは旋律と伴奏をひとりでやるわけにはいかない。ひとつの旋律にトレモロなどの装飾音をつけた演奏が、この楽器の得意とするところだ。

ペルシャあたりからつたわってきた楽器で、もともとは小さかったのだが、中国で発達して、いまの代表的なものは弦が 144本あり、だいたい 4オクターブにわたって半音まで区別してだせるそうだ。ただし、ピアノの鍵盤の配列が半音をふくめて音の高さの順にならべられているのとちがって、むかしからある弦の組の外側にあたらしいものが追加されてきたので、弦のならび順は音の高さの順ではなく、半音となりの音をだすためには大きくとんだ位置の弦をたたかなければならないそうだ。中国の伝統的な音階の曲だけでなく、西洋や現代日本の音階の曲もひけるのだが、それには高度な熟練を必要とするらしい。