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プラスチックごみをへらすには、再利用可能容器類の材料と回収経路のくふうを

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたか、かならずしも しめしません。】

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【大学の新入生オリエンテーションの性格をもつ授業のなかで、グループディスカッションをやった。わたしはその準備にはかかわっておらず、当日、1グループの助言者としてかかわった。KJ法をつかうということだったので、わたしは、個別のものごとについてのカードをつくる段階と、結論的なものをまとめる段階は学生にまかせ、カードをしだいにまとめていく作業についてKJ法の観点から助言した。ほぼはじめて話をする十数人の学生が、その日にあたえられたテーマについて30分ぐらい議論した結果としては、よくできていたと思う。しかし、そのテーマの問題解決に関心のあるたちばからは、こういう観点からも論じてほしかったという気もちがのこってしまった。】

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プラスチックごみの問題とその対策について、学生にグループディスカッションをしてもらった。

プラスチックごみが、身近な環境問題でもあり、海洋ごみやマイクロプラスチックなどのグローバルな環境問題としても指摘されていることは、参加者の多くが認識していた。

対策として、プラスチックのリサイクル、容器やバッグなどの再利用があげられた。ごみの「ポイすて」をせず適切なところにすてる(ように誘導する)こと、ごみを分別することもあげられた。(分別はごみ処理のためなのかリサイクルのためなのか不明確だが、これは実際に両方にわたるだろう。)

プラスチック製品の材料をほかのものにかえることがあげられた。材料としては、紙、木などがあげられていた。分解して無害になるようなプラスチックもあげられていたかもしれない。

つかいすてのものをつかうと費用がかさむように、税や規制などの制度をつくるべきだという意見もあった。

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プラスチックごみに関するディスカッションの出題では、2020年からの感染症流行への対策が必要になったこととの関連にもふれていた。

学生が出した論点のうちに、外食にかわってテイクアウトや配達 (飲食店自身による出前ではなく第三者による配達をさしている) がふえたことによって つかいすてのプラスチック容器の利用が増えてしまったこと の指摘はたしかにあった。

しかし、もっと直接的に、感染の可能性をへらすために、容器の再利用よりもつかいすてがえらばれたことがあった。また、プラスチックごみをへらすため (あるいは資源節約のため) の、レジ袋有料化などの政策や、箸・スプーン・カップなどを持参しようという運動が、感染症対策の面ではまずいという批判もあった。学生の議論にはそのような論点がなかったように見えたが、あったのにわたしが見おとしたのかもしれない。こまかい論点を小さな紙きれに書き出すという方法をとったので、複雑な論点が出されにくかったかもしれない。

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わたしの不満がのこってしまったのは、学生たちが出した「プラスチックにかわる材料」の案が、つかいすての容器・食器・バッグなどに関するものばかりで、再利用可能なものに適した材料の話題がなかったことだ。

考えてみれば、いま20歳未満の人は、牛乳にせよ、清涼飲料水にせよ、びんが回収再利用されるのを見た経験があまりないのかもしれない。ここは年寄りが指摘しないといけないのだろう。

資源節約と衛生とを両立させようとすれば、食器や食品容器などは、回収・洗浄・消毒 (殺菌・ウイルス不活化) が効率的に確実にできるものにするべきだ。そのための材料としては、ガラス、陶磁器、金属などがつかわれてきた。しかし、そのような材料は、重い、こわれやすい、こわれたときに危険、(ガラス以外は) 透明でない、などの欠点があり、ひとつの欠点をへらそうとするとほかの欠点がつよまってしまいがちだ。たとえば、牛乳びんはガラスにしては割れにくいが重い。そこで、材料と回収・洗浄・消毒の技術や運用体制とをくみあわせて開発するべきだと思う。国や自治体が政策としてそれを奨励するべきだと思う。

NHKテレビの「2030 未来への分岐点」の第1回・第2回についてはこのブログの記事にしたが、2021年3月の第3回「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」については書かなかった。その番組のなかで、たしかアメリカの若者による活動だったと思うが、金属製の容器をくりかえし利用する食品の流通をやっていた。それ自体をまねしてよいものかはわからなかったが、おおまかな意味でそのような活動がもっとあってほしいと思ったのだった。