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試験で計算をさせるときには「電卓もちこみ可」にするか?

【まだ書きかえます。どこをいつ書きかえたかを必ずしも明示しません。】

[2020-01-22 試験で対数などをふくむ計算問題を出すことのむずかしさ]のつづき。

わたしの今学期末の試験問題では、対数や三角関数をだすのはあきらめて、四則演算(と それでできる べき乗)だけにした。それでも、筆算でやるのは苦しかった学生がおおかったようだ。学期中の宿題でも、計算の問題を出したのだが、宿題のばあいは「電卓」でもパソコンでもつかうことができる。

わたし自身にしても、かけざん・わりざんを筆算でやることは高校生までよくやっていたし、いまでもやりかたはわすれてはいない。(なお、わたしは、そろばんの使いかたはならったが、そろばんにもとづく暗算のしかたは習得していない。) しかし、大学生になった1970年代後半からは「電卓」を使うようになって、筆算をする習慣はなくなっていった。1990年代からはいつもノートパソコンを使うようになって、「電卓」さえつかわなくなった。今回も、自分で筆算をやってみることなく出題したことは、ちょっともうしわけなく思っている。

学生からも「電卓もちこみ可にしないんですか?」と言われてしまった。実はそれも考えたのだが、いまどきの学生には、「電卓」というものをもたないで「スマホ」の「電卓」機能をつかっている人がおおいだろう。試験で通信機能をもつ「スマホ」やパソコンをつかってよいというわけにはいかない。「通信機能のない電卓」を用意せよと言ってよいかどうか、まよったまま出題のときがきてしまったのだった。

試験監督のときにあった先生と話をしてみると、その先生の試験では「電卓もちこみ可」にしたことがあるそうだ。ただし、それが「関数電卓」であることは期待せず、対数や三角関数を計算させることはしなかったそうだ。「関数電卓」でない「電卓」ならば、日用雑貨としても売られているので、買わせることになっても、あまり負担には感じられないのかもしれない。

来年度の授業では、試験直前ではなく、学期の早い段階で、計算の宿題をだすついでに、期末試験について「通信機能のない電卓のもちこみ可にするので、用意しておいてほしい」というか、「筆算で計算させるので、訓練しておいてほしい」かどちらかの予告をすることにしようと思っている。