利他主義は利己主義よりもよいもののような気がするが、あらゆる「他」の利益を尊重することはできそうもない。「他」の範囲を限定してそれを尊重することになる。その範囲に自分も含まれるならば、利他主義は拡張された利己主義ということになるだろう。
ただし、その拡張のしかたはなんとおりもある。ひとまず思いつくままに列挙してみる。
- 自分の遺伝子を伝える人
- 自分と共通の遺伝子を伝える人、あるいは、共通の肉体的形質をもつ人
- 自分と同じ種(しゅ)
- 自分の種を含む生態系
- 自分の考えを伝える人
- 自分と共通の考えを伝える人
- 自分が所属すると感じる集団 . . . 団体、会社、学校、組合など
- 自分が住む地域: 村、地方など . . . 国も一面ではこれ
- 文化要素、とくに言語を共有する人 . . . 民族はこれ
- 自分の生活を支えるしくみ、それを維持する人 . . . 家族、会社、国家などはむしろこちらか?