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2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

いろいろな解析、分析、analysis

気象学では「解析」ということばが複数の意味で使われる。さらに、日本語では「分析」だが、英語では同じanalysisになるものもある。これだけの意味を使いわけて、まちがいがあまり起こらないのがふしぎなほどだ。まちがいを防ぐために、問い返すこともけっ…

SPEEDIに期待された機能、それをどうやって実現するか

【[おことわり] わたしは気象学の専門家ではあるが、とくに原子力防災を専門とするわけではないし、その関連の政策に対してとくに発言力があるわけでもない。ここに書くのは、個人としての意見を表明し、できれば政策決定にかかわる人にも読んでいただきたい…

ジオエンジニアリング、気候工学、意図的気候改変 (3)

[2013-11-03の記事][2014-01-19の記事]の続き。アメリカ合衆国科学アカデミー(NAS)の関連機関であるNational Research Council (略称はNRCだが原子力規制委員会でないことに注意。日本語表現は決まっていないようだが「全国研究評議会」とされていることがあ…

システム

-- 0 -- 現代、「システム」ということばはそこらじゅうに出てくる。その意味はまちまちだと思う。いろいろな文脈で使われる「システム」ということばから共通の意味をとりだそうとしても、「複数の部分からなり、しかし単なる部分のよせあつめではなく、全…

時計の身になってみたら時計の針は時計まわりなのか

回転の軸の方向をひとまず固定したとすると、その軸のまわりの回転運動の向きには、ある向きとその逆向きとがある。その向きを、どうやって伝えるか、という問題がある。「右まわり」「左まわり」という表現がよく使われる。「右まわり」は、前に進むにつれ…

グラフの軸をゼロから始めないのはうそつきか / そろばんグラフのすすめ

数量をあらわすグラフの「うそ」が、たびたび問題になる。対象となる数量と画面上の長さなどの数量との対応がまちがっている場合もある。しかし、対応は正しくてもまずいとされる場合がある。そのうちで、たびたびむしかえされる議論に、「軸の原点がゼロか…

rate, 率 (2) 死亡率と致死率

「rate、率」について[2014-11-01の記事]に書いたことに関連する話。人口統計などでいう「死亡率」は、時間軸上の単位期間あたりの死亡数の全人口に対する比率だ。時間については「年あたり」、全人口については「千人あたり」「十万人あたり」のような単位…

高層

-- 0 -- 現代日本語圏で「高層」と言ったらいちばん多い使われかたは高層建築に関するものだろう。高層建築がどのくらいの高さのものをさすかは時代や地域によってまちまちだと思うが、数十メートルから百メートル程度だろう。地上このくらいの高さは、気象…