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2013-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「温暖化の発見」原書出版から10年、残された問題

わたしは、ワート(Weart)著『温暖化の〈発見〉とは何か』という科学史の本(原書2003年、日本語版2005年)の共訳者である。翻訳の作業の大部分は翻訳業の熊井ひろ美さんによるもので、わたしは専門的内容のチェックを担当した(したがって「訳者」と紹介される…

「風立ちぬ」

「風立ちぬ」という映画が話題になっている。わたしは映画を見る習慣がないし、宮崎駿(はやお)監督にもとくに興味がない。航空工学の中身に立ち入った話ならば、気象学の歴史にもかかわる可能性があるのだが、うわさによればそうではなさそうだ。関東大震災…

解氷

テレビのチャンネルを自然ドキュメンタリーに変えたら、「カイヒョー」ということばが聞こえた。動物の話だったらヒョウ(豹)の一種かと思ったかもしれないが、そうではなかった。氷らしいものが出てきたので、海氷のことだと思った。【これは気候システム専…

DIASの制度設計失敗に関するメモ

ここでいう「DIAS第1期」は2006-2010年度に文部科学省の事業「海洋地球観測探査システム」の一部として実施された「データ統合・解析システム」、「DIAS第2期」は2011-2015年度の事業「地球観測データ統融合プログラム」をさしている。現在、DIAS第2期の活動…

地球環境問題解決に向けて期待される、専門知識をもつ人の役割 (序論)

科学技術社会論(STS)学会の2013年大会は11月16-17日に東京工業大学大岡山キャンパスで開かれる。その講演しめきりは8月9日だった。そこでは400字以内の要旨を出し、9月2日までに2ページの予稿を出すことになっている。わたしは「地球環境問題解決に向けて期…

政策への助言者としての学者、とくに学術会議の役割

2013年8月7日、学術会議で開かれた「学術フォーラム『社会の中の、社会のための科学技術イノベーションの推進』」に出席した。総合科学技術会議、学術会議、科学技術振興機構の研究開発戦略センター(CRDS)の共催であり、会議の情報はこのウェブサイトにある…

スーパーグローバル大学

2013年7月末ごろ、「文部科学省が、いくつかの大学を『スーパーグローバル大学』化するという事業を始める」という趣旨の報道があった。あとでウェブ検索をすると、報道記事はいくつか見つかるが、文部科学省からの新しい発表は見つからず、少し前の5月28日…

子ども/子供

「日本教育新聞」2013年7月15日号に 「子ども」表記を「子供」に -- 下村文科相 公用文の統一指示 という報道記事が出ていたことを7月24日に知った。下村文部科学大臣が、「子ども」という単語の文字表記を「子供」とするように文部科学省内に指示したのだそ…

人間力

2013年7月25日、下村文部科学大臣の発言をきっかけに、「人間力」ということばが話題になった。わたしが27日ごろまでにTwitter上のいろいろな発言を見て考えたことをまとめておく。Twitter上の発言者のお名前はひとまず出さない形にしておく。「人間力」とい…

ベテランプログラマーの出番か? 応用科学史家の出番か?

IT

わたしが自分が「ベテラン」の情報処理職人だと思ってからしばらくして、本物のveteran (アメリカの退役軍人)と情報処理技術のからんだニュースに出会った。 Slashdot日本語版 http://it.slashdot.jp/story/13/07/14/0555217/ COBOLで書かれた米国防総省の給…

ベテラン

ひとつ前の記事(のもとになったプレゼンテーションファイル)を書いたとき、ふと、自分は「ベテラン」だと言いたくなったのだ。1960年代の子どもとして、わたしは日本語に「ベテラン」ということばがあることを知った。おもにスポーツの報道で使われていたが…

地球環境データ統合解析の場について、ベテランからの提言

IT

データ統合解析の場について 1980年代に地球環境ビッグデータユーザーだったベテランからの提言2013年6月21日に作成してまだ使う機会がなかったプレゼンテーションファイル。[2013-12-21改訂] これまで画像で示していたが、HTMLテキストに変えて、[別のウェ…