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2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

国費科学研究の体制はリサーチカウンシル方式で

科学研究関係の独立行政法人を再編成するという閣議決定がされたが([1月20日の記事参照])、具体的な形はあとで考えるということのようだ。性格の違う職場をむりやり同一基準で運営させられたら現場が困る。かと言って、名目だけ統合して中は今までどおりでは…

科学研究関係の独立行政法人の再編成方針(閣議決定)について

1月20日の閣議で独立行政法人の制度および組織の見直しの基本方針が決定された。20日夕方に見たところでは、内閣のウェブサイトには議事の題目があるだけで内容はなかったが、内閣府のウェブサイトの「行政刷新」の下の「独立行政法人改革」http://www.cao.g…

研究を任務とする独立行政法人の統合と、任期つき労働者の立場

独立行政法人のうちでも科学研究をおもな職務とするところで働く人にとって、法人の統合は、たいていの場合、迷惑なことだ。もし、国になんらかの科学研究を推進したいという意図が先にあってその手段として法人統合が考えられたのならば、研究労働者として…

研究資金提供機関どうしの統合をしないのか?

[直前の記事]の続き。検索してみると、朝日新聞の2011年12月28日の報道独立行政法人、統合で4割削減案 野田政権が幸いまだ残っていた。「野田政権による独立行政法人の整理統合案が[2011年12月]27日明らかになった」という書きだしで、具体的な発言者は示さ…

研究機関と研究資金提供機関との統合は(不可能ではないが)要注意

独立行政法人の統合の話はいろいろあるが、1月13日に、あるうわさを聞いて(正確には他人のtwitterを見ていて)驚いた。根拠として示されていた時事通信社の報道(文科省所管8法人を統合=理研、原研機構が対象−独法改革案(2012/01/12-21:07)http://www.jiji…

科学論文の書誌情報を数えて評価の材料にすることについて

- 1 - 科学的知識はいろいろな形をとるが、いちばん形の整っているのは、逐次刊行物(雑誌)の中に出版された論文だ。そのうちでも、著者とかかわりがなく専門知識を持つ人による査読を経た論文が重視される。査読を通過したことがその個別論文の内容が正しい…

放射線ひばくの害よりもそれを避けるコストが大きいかもしれない。だから原子力の社会的費用は大きい。

[つぶやき] 放射線ひばくの害よりもそれを避けるコストが大きいかもしれない。だから原子力の社会的費用は大きい。「コスト」にはさまざまな対策にかけるお金や労力と対策の副作用を含んでいる。とくに、避難という対策に伴う生活の変化によるストレスが健康…

「エア御用」って、「放送局御用たし」のことですよね

「わたしが出会った問題な日本語」への追加。2011年のいつだったか、ネット上に「エア御用」ということばをときどき見た。それは「御用学者」という用語に関連して使われているらしかった。そこでわたしは、「エア御用」は「放送局御用たし学者」、つまり、…

議論の二極化はまずいのでその原因をもう少し考えてみる

2011年12月5日の記事「リスクに関する議論の二極化はtwitterで強まったのではないか?」で想定した状況についてもう少し考える。 K: こわがりすぎる人 L: 科学的知見を重んじ、ややこわがる人 M: 科学的知見を重んじ、ややこわがらない人 N: こわがらなさすぎ…

「ぼくらの町は川っぷち」「ぼくらの空は四角くて」

作曲家の林 光 (はやし ひかる)さんが亡くなったそうだ。直接知っている人ではないので、亡くなったこと自体に感慨があるわけではないが、このかたの作品をめぐるわたし個人の思いを書きとめておきたい。わたしが林さんの名まえを知っているのは、小学生のと…

SPEEDIなどの気象シミュレーションはどういう意味で避難の助けになるのか

1月4日の記事の補足。2011年7月15日の記事(その1)のまんなかあたりに書いたことと重なるが、もう少しだけ詳しく述べる。原子力事故によって大気中に放出された放射性物質が大気によってどのように運ばれるかのシミュレーションの結果は、避難の計画をたてる…

SPEEDIが活用されなかった原因、そして今後の原子力防災と規制行政の関係は?

2011年12月26日、政府の「東京電力福島原子力発電所における事故 調査・検証委員会」(畑村委員長)の中間報告が出された。 http://icanps.go.jp/post-1.html の下にPDFファイルの形で置かれている。まず概要 (ファイル名 111226HonbunGaitou.pdf はyとtをとり…

社会主義の失敗と、脱社会主義の失敗

わたしは、1970年代の学生のころから、非マルクス・反レーニン社会主義者だ。資本主義は、富の不平等を拡大し、また天然資源の消耗を速めるので、人類社会が長期持続するためにはいずれ廃止されるべき制度だと思っている。しかし、言論の自由が制限されたソ…

議論の二極化、放射能の場合、温暖化の場合

2011年12月5日の「リスクに関する議論の二極化はtwitterで強まったのではないか?」は、わざとちょっと抽象化して書いた。 K: こわがりすぎる人 L: 科学的知見を重んじ、ややこわがる人 M: 科学的知見を重んじ、ややこわがらない人 N: こわがらなさすぎる人 …